研究課題/領域番号 |
19K15945
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
今泉 鉄平 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (30806352)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ペクチン / 電気インピーダンス / 細胞壁 / グローバル構造 / 原子間力顕微鏡 / 細胞膜損傷 / ブランチング / 乾燥 / ナノ構造 / 農産物 / 加工操作 / 低温ブランチング / メトキシル化度 / FT-IR / ICP-AES / イオン漏出 / 食品加工 / 機能性 |
研究開始時の研究の概要 |
ペクチンは野菜や果物のテクスチャを左右する物質であるとともに、人体における生理機能についても解明が進められている.したがって、加工操作により農産物内在ペクチンの状態を制御できれば、加工製品において消費者の嗜好、健康状態に合わせた食感形成や機能性付与が行える可能性がある.申請者は、このような食感や機能性について、ペクチン分子の長さや側鎖構造、分子間ネットワークといったグローバル構造が特に重要であると考えた.そこで、本研究では、ペクチンのグローバル構造を軸に、加工による変化メカニズムや食感、機能性への影響を明らかにすることとした.
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研究成果の概要 |
細胞壁多糖類ペクチンはその複雑な構造と特性から,これまで十分に理解が進んでいない。そこで,本研究では加工操作に伴う農産物中ペクチンの変化について原子間力顕微鏡を用いたグローバル構造解析などを駆使して新たな知見の獲得を目的とする。 原子間力顕微鏡を用いた解析の結果,水溶性ペクチン,キレート可溶性ペクチン,希アルカリ可溶性ペクチンのそれぞれで特徴的なグローバル構造を示すことを明らかとした。また,これらのペクチンはブランチングや乾燥といった加工によってその特徴が大きく変化した。農産物加工において特に,加熱による細胞膜損傷が細胞壁変化のトリガーとなる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペクチンは野菜や果物の細胞壁構成成分であり,食感形成や整腸作用など,機能面での重要性も明らかとなってきている。そのため,加工操作によるペクチン構造の変化についての理解を深め,制御することが出来るようになれば,加工農産物における効果的な機能向上をもたらすことにもつながる。本研究では,そのような特徴把握をグローバル構造解析という先駆的なアプローチで試みており,新規知見の獲得をもたらした。また,電気インピーダンス解析を行うことで,細胞壁変化にける細胞膜損傷の重要性を示し,農産物の食感形成メカニズム解明の一端を明らかにすることができた。本研究で得られた知見は農産物加工の最適プロセス構築に有用である。
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