研究課題/領域番号 |
19K15948
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
木下 林太郎 帯広畜産大学, グローバルアグロメディシン研究センター, 助教 (70793678)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 土壌 / リン肥沃度 / バレイショ / 熱帯 / 黒ボク土 / リン酸吸収係数 / 簡易分析法 / リン酸 / 有効態リン酸 / リン固定力 / 土壌学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、土壌診断技術の普及が進んでいない熱帯の火山灰土壌地帯において作物が利用可能な有効態リン酸量と土壌固有のリン固定力を示すリン酸吸収係数の簡易推定技術を構築することである。熱帯の火山灰土壌の多くが高地に存在し、冷涼かつ十分な降水量が得られるため作物の収量ポテンシャルは高いが現状の生産性は極めて低い。これまで、火山灰土壌で作物の収量制限因子となるリンを供給するためにリン酸肥料や家畜ふん尿の施用が行なわれてきた。しかし、適切な施用量を決定するための土壌診断技術は普及しておらず、簡易かつ低コストで利用可能な分析技術の開発および導入が喫緊の課題である。
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研究成果の概要 |
熱帯地域の高地ではバレイショが栽培されているが収量は低い。これらの地域では火山灰土壌が広く分布しており、土壌のリン肥沃度が低いことがバレイショ収量を制限していると考えられた。本研究では、ケニア共和国を対象にバレイショ栽培圃場の土壌特性と肥沃度を調査するとともに、リンの簡易分析方法の確立を目指した。その結果、これらの地域の土壌のリン肥沃度は圃場ごとに大きく異なり、調査地域では約8割の地点で既に適正から過剰であることが明らかとなった。家畜ふん尿の多投入が原因であると考えられた。また、風乾土含水率によるリン酸吸収係数の簡易測定法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱帯の火山灰土壌ではリン肥沃度が低いことが作物収量の制限因子であると考えられていたが、調査対象地域ではリンは適正か過剰な地点が多いことが明らかとなった。リン過剰が作物収量や品質だけでなく、周辺環境に及ぼす影響の評価も重要であると考えられた。土壌のリン固定力は土壌のリン肥沃度に影響を及ぼすため重要である。本研究から、土壌のリン固定力を土壌が風乾後に含む水分含量を評価することで推定可能であることが明らかになった。
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