研究課題/領域番号 |
19K15952
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴田 誠 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (40799607)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Oxisols / Ultisols / ベトナム / 養分循環 / アカシア / 熱帯林 / 硝酸 / 土壌型 / 持続性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまでのように土壌中に養分がどれだけ存在するか、という静的な視点のみに焦点を当てるのではなく、土壌を介した植物との間の養分の「流れ」という動的な視点も取り入れて生態系全体を捉える事で、「オキシソルという土壌は、従来考えてこられたように本当に貧栄養なのか?」について再考する。オキシソルと共に「熱帯強風化土壌」として一括りにされてきたアルティソルを比較対象土壌とする事で、「土壌のタイプごとに植物-土壌間の養分循環の様式が異なるのではないか?」という仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では,これまで,熱帯強風化土壌として一括りにされてきたオキシソル土壌とアルティソル土壌に成立する熱帯林の養分循環機構を比較し,「オキシソルという土壌は、従来考えてこられたように本当に貧栄養なのか?」について再考した。その結果,オキシソルでは下層土壌まで硝酸態窒素の溶脱が起きており,それに伴いカルシウムやマグネシウム等の陽イオンも下層へ移動していた。したがって,土壌中の養分ストックのみに焦点を当てるのではなく,土壌を介した養分フロー--すなわち土壌-植生間の養分循環機構--に着目する事で,オキシソルに成立する生態系はダイナミックな養分循環を有する事が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって,土壌-植生間の養分循環を評価することで,従来のように土壌中の養分賦存量のみに焦点を当てた静的な肥沃度評価では見えてこなかった,土壌生態系の姿が明らかになった。すなわち,これまで単に貧しい土壌と考えられてきたオキシソルに成立する森林生態系では養分がダイナミックに循環していた。オキシソル土壌の農業利用を考える上では,樹木作物を活かしたアグロフォレストリー的な利用にはアルティソルよりも適している可能性がある一方で,過度な伐採や単年性作物を主とした常畑利用によっては土壌養分が急速に枯渇する危険性について留意されるべきである。
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