研究課題/領域番号 |
19K15958
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 裕 北海道大学, 農学研究院, 助教 (10793846)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ウシ / ルーメン / 組織発達 / 組織幹細胞 / ルーメン上皮細胞 / 未分化細胞 / 細胞分裂 / 上皮組織 / 前駆細胞 / 反芻胃 / 離乳 |
研究開始時の研究の概要 |
動物組織の発達や機能維持では、組織幹細胞が重要な役割を担う。ウシの栄養獲得の要である反芻胃(ルーメン)は離乳後に急速に発達するが、どのような細胞群がこの過程に関わるかなどのミクロなメカニズムは不明であった。申請者は予備研究において、組織幹細胞マーカーと細胞増殖マーカーを共発現する細胞群をルーメン上皮基底層において見出した。近年、技術革新が進む幹細胞培養技術をルーメンに応用できれば、これらの細胞の分化機序を明らかできると考えられる。本研究では、組織幹細胞に着目した細胞レベルでのルーメン発達機序の解明と、ルーメン幹細胞培養系よる家畜飼料の体外プレスクリーニング系の作出による酪農技術応用を目指す。
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研究成果の概要 |
ウシの栄養獲得の要であるルーメン(反芻胃)は離乳前後の時期から急速に発達するが、どのような細胞群が組織発達に関わるのかといったミクロなメカニズムは明らかではなかった。動物組織の発達や維持においては、組織幹細胞による分化細胞の供給が重要な役割を担っていることから、本研究ではルーメン上皮組織における組織幹細胞の探索と組織発達への関与を検討した。結果として、ルーメン上皮基底層に幹細胞マーカーおよび細胞増殖マーカーを発現する細胞群を見出した。また、細胞増殖活性は離乳前の時期に高いことが明らかになった。従って、この時期に始まる組織幹細胞の増殖活性化により組織発達が引き起こされることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は組織幹細胞という新しい視点を通じてウシの消化機能の根底を担うルーメン組織の成り立ちに迫る初の試みであった。ウシ消化管におけるこのような細胞群の特定は、栄養獲得に重要な消化管の成り立ちに迫る知見であると同時に、研究が開始の途についた非モデル生物における組織幹細胞研究に貢献するものであったと言える。また、作製したルーメン幹細胞の培養技術は、飼料開発における機能性・毒性のプレスクリーニングに容易に応用ができると考えられ、開発過程を効率化する新たな手段として期待される。In vitro実験技術の進展は動物実験の削減につながり、アニマルウェルフェアを考慮した畜産技術の開発への貢献が期待される。
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