研究課題/領域番号 |
19K15962
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
川崎 淨教 香川大学, 農学部, 准教授 (30739206)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ブタ / 飼料用昆虫 / ミールワーム / キチン分解酵素 / 腸内環境 / 母豚 / 哺乳子豚 / 昆虫飼料 / AMCase / 豚乳 / 持続可能な食料生産 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、豚の虫体利用可能(キチン消化能力獲得)時期の特定や母豚の乳成分(栄養素組成や免疫グロブリン(IgA と IgG)濃度、抗菌物質濃度)分析、哺乳子豚の消化管組織や血中リンパ球サブセット、血漿中免疫グロブリン(IgA と IgG)濃度、腸内細菌叢を解析し、ミールワーム粉の給餌が豚の栄養生理に及ぼす影響を明らかにすることが目的である。研究項目としては以下のものを予定している。 1.豚のキチン分解酵素 mRNA 発現量を解析し、豚のキチン消化能力獲得時期を特定 2.母豚のミールワーム粉摂取が、ブタ母乳成分に及ぼす影響を検証 3.母豚のミールワーム粉摂取が、哺乳子豚の免疫系に及ぼす影響を検証
|
研究成果の概要 |
本試験では哺乳子豚のキチン分解酵素分泌時期の特定や母豚へ昆虫粉末給餌を行い、子豚の成長成績や消化管組織形態、血中・糞中免疫グロブリン濃度などを調査した。その結果、子豚は哺乳中からキチン分解酵素を分泌可能であることや昆虫粉末含有飼料は母豚を介して子豚の免疫機能を活性化させる可能性や、昆虫粉末を摂取している母豚の哺乳子豚では、成長成績および栄養吸収能力に影響は見られないことが示された。これらのことから昆虫粉末は哺乳子豚の餌付け飼料給餌時期から利用可能であること、母豚飼料中の魚粉の代替飼料原料として利用可能であることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、昆虫粉末であるミールワーム粉末は養豚用飼料として魚粉と代替可能であることが示された。さらに、単なる魚粉との代替資源ではなく、昆虫粉末は哺乳子豚の栄養吸収能力や免疫を賦活させる可能性が示された。飼料用昆虫は本来焼却や埋立処分される野菜加工残渣を餌料として飼育されたものであることから、天然資源である魚粉と比べ昆虫粉末の生産は持続可能性が高いと言える。 我が国はほとんどの資源を輸入に頼っているにもかかわらず、食品ロス量は世界的に上位の位置にある。現在廃棄されているものから新たな飼料原料を生産することが可能となれば、我が国の飼料自給率向上につながると考えられる。
|