研究課題/領域番号 |
19K15967
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
井上 弘貴 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 特任研究員 (20807812)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 生殖細胞 / RNA結合たんぱく質 / NANOS3 / GS細胞 / GS cell / 精子発生 / RNA結合タンパク質 / 転写後調節 |
研究開始時の研究の概要 |
精子幹細胞を含む精原細胞の自己増殖に係る未分化性の維持機構については先行研究により明らかになってきたが、分化機構に関しては不明な点が残されている。本研究ではRNA結合タンパク質NANOS3が精原細胞の分化制御に関与する分子機構を解析することで、精原細胞の分化運命決定機構の解明に資することを目的とし、精原細胞のモデルとして体外培養可能なGS細胞を用い、Nanos3欠損および過剰発現GS細胞の表現型解析、NANOS3の相互作用因子の網羅的探索と機能解析、NANOS3の標的RNAの網羅的探索と機能解析を行いNANOS3によるRNA制御を介した精原細胞分化の分子機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
精子幹細胞を含む精原細胞集団においてNANOS3はより分化した細胞集団で発現することが知られている。本研究では精原細胞のモデルとして対外培養可能なGS細胞を使用してNANOS3の分子機構について解析を行った。NANOS3と相互作用するたんぱく質、および標的RNAを網羅的に探索することで、NANOS3がmRNAの翻訳に係るたんぱく質と相互作用すること、標的RNAの候補を明らかにした。さらに、NANOS3の欠損GS細胞の解析により、標的RNAの候補の中からNANOS3の下流で制御される因子で精原細胞の分化に係りうる遺伝子を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NANOS3は精原細胞だけではなく始原生殖細胞の生存にも関わることが知られている。しかしながら、これらの細胞は生体内でもごく少数であるため相互作用因子や標的遺伝子の網羅的探索は行われていなかった。本研究ではGS細胞を精原細胞のモデルとして使用することで、網羅的探索を可能にし、NANOS3の分子機構について多くの手がかりを得ることができた。今後これらの解析をもとに、下流の因子を解析することで、NANOS3によるRNA制御を介した精原細胞の分化運命決定機構の解明に貢献できることが期待される。
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