研究課題/領域番号 |
19K15970
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 宮崎大学 (2020-2021) 北海道大学 (2019) |
研究代表者 |
大菅 辰幸 宮崎大学, 農学部, 助教 (70816470)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心エコー / 左心房 / カップリング / strain / 左心室充満圧 |
研究開始時の研究の概要 |
従来、犬の僧帽弁閉鎖不全症(MR)における心エコーによる左心室充満圧の推定は左心房圧指標である僧帽弁血流のE波速度により行われていたが、推定精度は低かった。研究代表者らは、左心室充満圧の上昇により左心房収縮能が低下することに着目し、犬のMRにおいて左心房収縮能の指標であるストレインがE波速度よりも精度よく左心室充満圧を推定できる可能性を示したが、ストレインによる左心室充満圧の推定精度にも限界があった。 本研究では、犬のMRの臨床例やモデルにおいて左心房圧と左心房収縮能を統合した概念である左心房-左心室カップリングを心エコーにより評価すれば、正確に左心室充満圧を推定できることを明らかにする。
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研究成果の概要 |
犬の容量過負荷モデルにおいて左心室充満圧の指標である肺動脈楔入圧と心エコーにより推定した左心房-左心室カップリングの間に関連性は認められず、犬において左心房-左心室カップリングを用いて左心室充満圧を推定することは困難であることが示された。 しかしながら、犬の僧帽弁閉鎖不全症の臨床例において、心エコーにより推定した左心房-左心室カップリングは従来最も有用な心エコー予後指標である左心房サイズとは独立した予後因子であることが明らかになり、左心房-左心室カップリングが犬の僧帽弁閉鎖不全症の新たな予後指標となり得ることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
左心室充満圧を非侵襲的に正確に推定することはヒトおよび犬の心不全のより精度の高い治療につながるため「心エコーにより推定した左心房-左心室カップリングが犬における左心室充満圧の推定に有用である」という仮説を立てたが、残念ながら左心房-左心室カップリングは犬における左心室充満圧の推定には利用できないという結論に至った。しかしながら、犬で最も多い心臓病である僧帽弁閉鎖不全症において左心房-左心室カップリングが新たな有用な予後指標となりうることを示せたことは、左心房-左心室カップリングが僧帽弁閉鎖不全症に罹患した犬の予後推定や治療方針決定の精度向上に貢献できる可能性を示している。
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