研究課題/領域番号 |
19K15975
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 幸司 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (40826484)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん / 血管 / 脂質メディエーター / 血管内皮細胞 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
がんは栄養や酸素を供給するために周囲の組織から血管を引き込むため、このがん血管を阻害することでがんの増殖を阻止できると考えられている。 申請者は予備検討において、血管の抗がん剤耐性に関与する可能性がある酵素を発見した。そこで、本研究では、この酵素の阻害が実際のがん血管の抗がん剤感受性を解除するか、および、抗がん剤の効果を増大させることでがんを退縮させるかどうかについて検討する。
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研究成果の概要 |
抗がん剤はがんの治療に広く使用されるが、がんの耐性獲得が問題となっている。本研究では生理活性を持つ脂質が、がん血管細胞からの抗がん剤排出を促進することで、抗がん剤耐性を上昇させることを明らかにした。マウスモデルを用いた検討で、この脂質の合成酵素の阻害薬や受容体の阻害薬は、抗がん剤の効果を増強しマウスに移植したがんの成長を抑制することも証明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの耐性を解除することで、少ない量の抗がん剤で最大の薬効を発揮できると考えられる。そのため、抗がん剤耐性の解除法の研究は多く行われていたが、副作用や薬効に問題があるため実際に臨床で使用されているものはない。本研究では、脂質メディエーターの合成酵素を阻害することで抗がん剤の耐性が解除できることを示した。この合成酵素は末梢組織の中ではがんの血管の細胞に特異的に発現している。そのため、この酵素の阻害は、副作用が少ない抗がん剤の耐性を解除する新規の方法になる可能性が期待できる。
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