研究課題/領域番号 |
19K15977
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 筑波大学 (2020) 東京農工大学 (2019) |
研究代表者 |
松田 研史郎 筑波大学, 革新的創薬開発研究センター, 研究員 (70642619)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | アナフィラキシー / マスト細胞 / TRPA1 / 酸素 / 相対的低酸素 / TRPA1チャネル / アナフィラキシー反応 |
研究開始時の研究の概要 |
アナフィラキシーは、アレルゲン侵入の他、運動や温度もトリガーとなる全身性アレルギーで、マスト細胞が主要な役割を担う。特に免疫学的機序を介さないマスト細胞の活性化によるアナフィラキシーは原因が不明瞭である。相対的低酸素刺激が非免疫学的機序に基づくアナフィラキシーのエフェクターであり、急性高山病や呼吸器系疾患における純酸素療法はアナフィラキシーを誘導し得る。そこで相対的低酸素による生体内物理化学的変化がマスト細胞を活性化させるプロセスを明確化し、高山病などの酸素起因性疾患の新たな病勢増悪化機構を解明することで、酸素起因性アナフィラキシーに対し新規視点に基づく治療法開発の基礎的知見の獲得を目指す。
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研究成果の概要 |
60%以上の高濃度酸素環境から通常酸素環境への劇的な酸素濃度変化(相対的低酸素刺激)により、成体マウスにおいて全身性アナフィラキシーが誘導される事を発見した。さらに、マスト細胞欠損マウスの血中ヒスタミン、トリプターゼ、βヘキソサミニダーゼ量が野生型マウスと比較して有意に減少した事からそのメディエーターがマスト細胞である事を見出した。 また、TRPA1欠損マウス骨髄よりマスト細胞を培養し、相対的低酸素刺激を誘導した所、培養上清中のヒスタミン、トリプターゼ、βヘキソサミニダーゼ量が有意に減少した。 以上の事からマスト細胞に発現するTRPA1の活性化により酸素センシングが行われていることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アナフィラキシーは、食物、医薬品や昆虫刺咬などのアレルゲン侵入の他、運動や温度などもトリガーとなる全身性アレルギー反応で、特に免疫学的機序を介さない、直接的にマスト細胞を活性化させるアナフィラキシーはその原因の特定が急務であった。本研究では、相対的低酸素刺激による非免疫学的機序に基づく新たなマスト細胞の活性化メカニズムを明らかにし、酸素が新たなアナフィラキシーの誘導因子である事を見出した。この事から相対的低酸素状況が想定される純酸素療法や急性高山病などの酸素起因性疾患は、アナフィラキシーを惹起するリスクがあり、その予防方法や治療方法提言のための基礎的知見として学術的意義を有する。
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