研究課題/領域番号 |
19K15978
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小畠 結 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (00805442)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 犬 / 変性性脊髄症 / SOD1 / マクロファージ遊走阻止因子 / 筋萎縮性側索硬化症 |
研究開始時の研究の概要 |
犬の変性性脊髄症 (DM) は致死性神経変性疾患で、ヒトの筋萎縮性側索硬化症の類似疾患である。これまでの研究成果から、神経におけるSOD1蛋白質凝集体の蓄積および炎症反応が病態に関与していることが明らかとなった。マクロファージ遊走阻止因子 (MIF) は神経細胞内では蛋白質凝集体を減少させ、神経細胞外では炎症反応を惹起する働きをもつ。DM症例にMIF分泌抑制剤を投与すると、神経細胞内での蛋白質凝集体が減少し、神経細胞周囲の炎症反応を抑制できると考え、治療効果を検証することにした。この研究課題の完遂により、DMの病態に基づいた新規治療法が確立でき、ALSの治療法開発にも寄与すると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、イヌの変性性脊髄症における変異型SOD1凝集体形成および神経炎症を制御するため、マクロファージ遊走阻止因子 (MIF) を用いた新規治療法を確立することを目的とした。変性性脊髄症モデル細胞を用いた研究成果から、細胞内MIF濃度を上昇させることで、変異型SOD1凝集体の形成を抑制できることが明らかとなった。免疫組織化学にてMIFがイヌ脊髄の神経細胞に発現していることを確認した。MIF分泌阻害剤を添加することで、細胞内にMIFが蓄積し変異型SOD1凝集体の形成が抑制されると考えたが、MIF分泌阻害剤では細胞内MIF濃度を上昇させることができず、凝集体形成抑制効果も認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、細胞内MIF濃度の上昇により変異型SOD1凝集体の形成が抑制されることが明らかとなった。したがって、細胞内MIF濃度を上昇させることが、変性性脊髄症の治療戦略となりうると考えられた。変性性脊髄症は筋萎縮性側索硬化症というヒトの難病の類似疾患と考えられているため、本知見は獣医療だけでなく人医療への貢献も期待できる。
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