研究課題/領域番号 |
19K15980
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
朝比奈 良太 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD) (00837487)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / 組織常在型記憶T細胞 / 樹状細胞 / 組織常在型メモリーT細胞 / CXCR6 / CXCL16 / 真皮樹状細胞 / 犬アトピー性皮膚炎 / レジデントメモリーT細胞 / 寛解維持療法 / トランスレーショナルリサーチ |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎(AD)は、増悪と寛解を繰り返す慢性皮膚疾患であり、原因抗原に対する過剰な免疫応答を低下させる治療開発が求められている。近年、組織浸潤後に長期間駐在し、抗原の再曝露に対して迅速に炎症反応を誘導するレジデントメモリーT(TRM)細胞が発見された。申請者は、アレルギー炎症を誘導したマウス皮膚においてCD4+TRM細胞が血管周囲に長期間駐在する現象を見出している。本研究では、CD4+TRM細胞の皮膚での駐在制御機構を解明し、イヌADに対する新規治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
アレルギー性皮膚炎におけるCD4+組織常在型メモリーT(TRM)細胞における皮膚駐在機構の解明を目指し、実験を行った。遅延型過敏症マウスモデルにおいて、CD4+TRM細胞は古典的樹状細胞2型(cDC2)とともに血管周囲にクラスターを形成して駐在した。また、cDC2からはCXCL16が産生され、CXCL16中和抗体の投与によりCD4+TRM細胞の数とクラスター形成が減少した。さらに、CXCR6陽性CD4+TRM細胞は抗原再曝露時にサイトカインを産生して迅速な炎症を誘導する病原性TRM細胞であった。これらの研究知見はアトピー性皮膚炎のモデルマウスにおいても同様に認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果から、アレルギー性皮膚炎におけるCD4+TRM細胞の皮膚駐在に関わるCXCL16を介した真皮樹状細胞とのクロストーク機構を明らかにした。また、再燃誘導において中心的な役割を果たす病原性TRM細胞サブセットとして、CXCR6陽性CD4+TRM細胞を新たに同定した。以上より、CD4+TRM細胞によるアトピー性皮膚炎の再燃病態が明らかになった。今後は、CXCR6/CXCL16を標的としたCD4+TRM細胞の駐在制御に基づいたアトピー性皮膚炎に対する新規治療開発に応用されることが期待される。
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