研究課題/領域番号 |
19K15992
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
邱 永晋 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 助教 (00760985)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ボレリア / ザンビア / コウモリ / 回帰熱 / real time PCR / アフリカ |
研究開始時の研究の概要 |
アフリカのザンビアで発熱患者ならびにコウモリからヒト病原性新世界型回帰熱ボレリアの分離に世界で初めて成功した。しかし、なぜ北米大陸にのみ分布する新世界型回帰熱ボレリアがアフリカ大陸(旧世界)に分布しているのか、また、その多様性は未だ明らかとなっていない。本研究では、ザンビアにおけるコウモリの回帰熱ボレリアに対する血清疫学調査と分子生物学的調査ならびに菌体分離と次世代シーケンス解析を通じて同地域の新世界型回帰熱ボレリアの多様性やその分布・拡散にコウモリが関与しているかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
ザンビアのコウモリ293検体を対象にボレリア属細菌の検出を試みた。その結果16検体がPCR陽性となった。さらに遺伝子配列の解析を行ったところ、12検体(6 Rousettus aegyptiacus, 1 Miniopterus fraterculus, 3 Eidolon helvum, 1 Epomophorus crypturus, 1 Nycteris thebaica)から新世界型回帰熱ボレリアであるBorrelia fainiiの遺伝子が検出された。また、4検体(3 N. thebaica,1 E. helveum)からはライム病ボレリアの遺伝子が検出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ザンビアの複数のコウモリ種からボレリア属細菌が検出されており、ボレリア属細菌の分布や拡散にコウモリが深くかかわっていると推察された。一方で、これらのコウモリの生態は十分に解明されておらず、国境を越えてコウモリが移動し、他国にもボレリア属細菌が分布しているのかなど生態学など他分野と協力したさらなる研究が必要である。また、ELISA法に関しては、別の標的と成る抗原蛋白を探すなど、今後手法の開発・改良が必要であると考えられた。さらに、ライム病ボレリア群のボレリア属細菌がコウモリから検出された。アフリカにおけるライム病ボレリア群の検出報告は少なく、今後も継続した研究が期待される。
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