研究課題/領域番号 |
19K15999
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
島守 祐月 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 研究員 (40816873)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ファージセラピー / NTM症 / MAC / 非結核性抗酸菌(NTM)症 / マイコバクテリオファージ / 難治性細菌感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
非結核性抗酸菌症は、結核菌とライ菌以外の抗酸菌が引き起こす感染症である。近年、罹患率の急増とその難治性から公衆衛生上の大きな問題になっており、新しい治療法の確立が望まれている。また、家畜等においては、感染の発覚が食肉検査時であることが多く、経済的損害が大きい。本研究では、抗酸菌の天敵ウイルス(マイコファージ)を用いることで、ヒトと家畜の非結核性抗酸菌症を予防・治療できる「ファージセラピー」の基盤を確立する。
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研究実績の概要 |
非結核性抗酸菌(NTM)症は、結核菌とライ菌以外の抗酸菌が引き起こす感染症である。原因菌の8割以上はMycobacterium avium complex(MAC)である。国内において結核症の罹患率が減少している一方で、有効な治療法が無いNTM症は急増している。また、MACはヒト以外にも感染することが知られている。罹患した家畜の肉は廃棄処分となり、経済的損害も大きい。本研究では、抗酸菌に感染するウイルスであるマイコバクテリオファージ(以下マイコファージ)を用いたヒトNTM症に対する治療法と、家畜NTM症に対する予防法の確立を目指している。 MACに対して有効なマイコファージを得るために、岐阜県内の牧場や圃場を中心とした自然環境中の土壌等からのスクリーニングを実施した。宿主細菌として、MACと同じMycobacterium属のM. smegmatisを用意した。M. smegmatisは非病原性であり、また、遅発育菌であるMACと比べて生育が早い迅速発育菌である。ファージスクリーニングを安全に迅速に行うことができる。複数のマイコファージの単離に成功し、20株のMAC臨床分離株に対する宿主域を調べた。最も宿主域が広いマイコファージは16株(80%)の保有臨床分離株に感染し殺菌することができた。複数のマイコファージを選択し、in vitro killing assayなど詳細な解析を実施している。今年度成果の一部については、第92回日本細菌学会総会にてポスター発表した。
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