研究課題/領域番号 |
19K16005
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
濱本 裕仁 日本獣医生命科学大学, その他部局等, 助教 (60825206)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | てんかん / 脳萎縮 / 機能的MRI / 安静 / 猫 / MRI / 機能 / 安静時機能的MRI / 猫の標準脳 / 加齢性脳萎縮 / 標準脳 |
研究開始時の研究の概要 |
てんかんは,獣医療において最も一般的に遭遇する脳神経疾患の一つであり,反復性のてんかん発作を主徴とする.人医療において,薬剤抵抗性てんかんに対し脳外科手術が行われているが,獣医療における実施は未だ行われていない.本研究は,てんかん外科に必須となるてんかん原性領域の推測法のうち,獣医療における機能欠落域同定の一法として,脳内ネットワーク解析に用いられている安静時機能的MRIの可能性を調査する.また,画像解析過程において,解剖学的細胞構造と相関させた定位脳MRIアトラスを基に,猫の高精度標準脳テンプレートを作成し,正確な異常領域およびコネクティビティの同定を目指す.
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研究成果の概要 |
猫はてんかんや認知機能障害など人と同様の脳神経疾患を呈するが,核医学を用いた代謝測定などの検査は困難であり,MRIを中心とした診断が行われている.我々は,猫の脳機能における安静時のネットワークの異常によりてんかん病変の検出が可能か否か調査した.猫において頭頂葉皮質が加齢に伴い萎縮することを示した.そのため,体性感覚野の機能が加齢に伴い生理的に減弱する可能性が示唆された.一方,安静時機能的MRIを用いたデフォルトモードネットワーク解析では,てんかん焦点を描出することはできなかった.本研究で使用したソフトウェアはヒトで開発されたものであり,猫に対する最適な条件を検討する必要があると考える.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
猫は犬とともに最も身近な動物であり,飼育環境の改善などから高齢化の傾向にある.近年の研究により,猫はてんかんやアルツハイマー型認知機能障害などの様々な脳神経疾患でヒトのモデル動物になり得ると考えられているが,ヒトと同様に脳の経時的変化やその機能をMRIを用いて評価した報告はほとんどなかった.本研究結果は猫の老齢医学の基礎データであるため画像診断による脳萎縮の診断につながり,今後の脳機能の解析により適切な治療開発に貢献する可能性が秘められている.また,ヒトの疾患モデル動物としてのトランスレーショナル・リサーチの先駆けになるものである.
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