研究課題/領域番号 |
19K16010
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 福岡県農林業総合試験場 |
研究代表者 |
山口 昇一郎 福岡県農林業総合試験場, 畜産部, 研究員 (30502520)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 性選別精液 / 人工授精 / 乳牛 / レスベラトロール / カフェイン / 深部注入器 / 炎症性サイトカイン / 子宮内膜遺伝子発現 / ミトコンドリア / 子宮内遺伝子発現 / 精子活力 / 牛性選別精液 / 受胎率 / 子宮内免疫反応 / 牛 / 子宮内白血球 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、乳牛後継牛が大幅に減少しており、効率的に雌子牛を生産できる牛性選別精液の活用が推進されている。しかし、封入精子数が少ないことなどから経産牛の受胎率が低いことが課題となっている。注入された精子は子宮内で異物と認識され、子宮内の白血球により貪食される。本研究では、申請者らが初めて豚および牛で明らかにしたカフェインによる子宮内免疫反応の制御技術に加えて、Sirtuin (SIRT)1を活性化し、ミトコンドリアの酸化ストレスを低減するレスベラトロールの添加により、精子運動性の長期化を図るこのことによって通常精液と同等の受胎率が得られる人工授精(AI)方法を確立する。
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研究成果の概要 |
乳牛性選別精液は、経産牛での受胎率が低いことが問題となっている。その要因として、封入精子数が大幅に少なく、また選別による精子へのダメージが報告されている。そこで、深部注入器を用いた人工授精において、精子の運動性に関与するミトコンドリアへの保護効果があると報告されているレスベラトロールを同時注入することによって、精子運動性や子宮内膜遺伝子発現への影響および受胎率について検討した。検討の結果、レスベラトロール注入により、精子運動性が長く維持されるとともに子宮内膜における炎症性サイトカイン(IL-1β)の遺伝子発現が抑制されることが明らかとなった。受胎率については、影響が認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
牛性選別精液の人工授精において高い受胎率を得るためには、よい発情の牛に確実に授精することが一番と考えられており、注入技術の改良によって受胎率向上を図ることは難しいのが現状である。本研究により、レスベラトロールを性選別精液と同時注入することによって、子宮内での精子生存性を向上させられる可能性があることが明らかとなった。今後さらなる検討により、より多くの卵子に受精させる必要がある過剰排卵処置牛への授精などへの応用にも期待される。
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