研究課題/領域番号 |
19K16016
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
村尾 直哉 宮崎大学, 医学部, 助教 (20773534)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 神経幹細胞 / 小胞体 / 成体ニューロン新生 / Derlin-1 / ニューロン新生 / 神経科学 / 小胞体ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
老齢期での認知機能の低下の一因とされる脳内の神経細胞産生量の減少において、そのもととなる成体神経幹細胞の老化に伴うタンパク質代謝の恒常性維持機構の破綻の関与が考えられる。これまでに、タンパク質の恒常性維持に重要な小胞体膜タンパク質Derlin-1の欠損マウスが、神経幹細胞の早期枯渇を引き起こすことが明らかになっている。そこで本研究では、中枢神経特異的なDerlin-1の欠損を脳内老化モデルと仮定し、神経幹細胞の挙動を詳細に解析することで、加齢による神経幹細胞の老化および神経細胞産生の低下を引き起こす新規メカニズムの提示を目指す。
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研究成果の概要 |
成体ニューロン新生は、加齢に伴って減少し、それが老齢期における記憶学習能力低下の一因とされている。加齢に伴う生理的・病的な変化として、小胞体を介したタンパク質代謝の恒常性維持機構の破綻が考えられるが、成体ニューロン新生との関連は不明であった。本研究では、小胞体膜分子Derlin-1の中枢神経特異的な欠損マウスの解析により、老化により引き起こされる成体神経幹細胞の枯渇や新生ニューロン減少の原因の一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、Derlin-1欠損マウスを脳内老化モデルと仮定し、神経幹細胞の挙動やニッチの変化を解析することで、加齢による成体ニューロン新生や記憶学習能力の低下を引き起こす新規メカニズムの提示を目指した。その結果、これまでの老化に関連した「小胞体ストレスの蓄積-細胞死」とは異なる新たな分子メカニズムの存在が示唆された。今後のさらなる詳細な解析により、小胞体ホメオスタシスを標的とした成体ニューロン新生の増強による記憶学習能力回復法の開発など、加齢に逆らった新規高次脳機能維持法の確立につながることが期待される。
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