研究課題/領域番号 |
19K16022
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021) 北里大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
平岡 毅大 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20836762)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | STAT3 / 着床 / 子宮腺筋症 / 子宮再生医療 / 子宮性不妊症 / 再生医療 / 着床障害 / 脱細胞化組織 |
研究開始時の研究の概要 |
晩婚化・少子化の進む現代の日本社会において生殖補助医療技術の発達は重要な意味を持つが、先天性子宮奇形や、流産手術などの子宮内手術による子宮内膜の器質的欠損・機能的低下が原因となる不妊症に対しては、これまで有効な治療法が確立されていない。子宮再生医療はこれら子宮欠損や子宮内膜菲薄化、子宮機能低下といった難治性妊孕性障害に対し光明をもたらす可能性を秘めていると考えられる。本研究では、組織の細胞成分を除去した脱細胞化組織を用い、遺伝子改変マウスを用いた生体内での実験モデルや試験管内での実験系を用い、子宮再生機序を明らかにすることを目的としている。
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研究成果の概要 |
子宮内膜の着床における分子制御機構について明らかにした。具体的には、子宮再生に必須のSTAT3が、着床直前の子宮内膜上皮と間質のいずれにおいても活性化されることが必要であり、かつそれぞれの機能が異なっているを解明した。この成果は、再生と着床の両面で上皮だけでなく間質のSTAT3が重要な役割を果たしていることを示している。さらに、子宮内膜の異所性構築を本態とし不妊症と関連する子宮腺筋症のマウスモデルを樹立した。この成果により、子宮内膜は子宮内膜以外の細胞外基質上でも再構築されうることが明らかとなり、さらに遺伝子改変マウスを用いることで病変形成においてSTAT3が必須の役割を果たすことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不妊症の原因は多岐にわたるが、着床障害の機序や治療法については未解明な点が多い。本研究は、着床の過程における子宮内膜の分子制御機構を明らかにしたと同時に、不妊症の原因となる子宮腺筋症の病態解明につながるマウスモデルを樹立した。また、これら一連の現象に、子宮再生に必須のSTAT3が密接に関わっていることが明らかとなった。これらの研究成果は、着床障害の原因解明につながるだけでなく、機能的な子宮内膜を試験管内で再構築し生体内に移植する、といった画期的な不妊治療の樹立につながる可能性があり、日本の少子高齢化に対する解決策の一つとなり得る。
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