研究課題/領域番号 |
19K16029
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
今井 早希 東海大学, 農学部, 講師 (50722279)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 幼少期ストレス / 愛着形成 / モデル動物 / 幼少期環境 / ストレス脆弱性 / 行動解析 / 繰り返し里親交換モデル / 幼少期環境ストレス / 行動 / モデルマウス / 社会性行動 / 養育行動 / 養育環境 / 養育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、遺伝的ストレス脆弱性を有する遺伝子突然変異マウスをモデル動物とし、特定の養育者との安定した関係構築の重要性を行動学的、神経科学的、組織学的観点から明らかにするものである。臨床医学や発達心理学において、特定の養育者との安定した関係は子の発達に重要とされるが、生物学的観点からの研究はほとんど行われていない。本研究では、不特定多数の養育者により育てられたマウスに生ずる発達、行動、神経、組織的変化を明らかにし、臨床医学へ橋渡しする基礎的知見の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
生後から離乳まで、産みの親以外のメスマウス間を毎日移動しながら育った仔マウスの身体的発達、および、不安やうつ様行動など行動特性を調べたところ、いずれの項目においても影響は認められなかった。しかし、毎日の里親交換に加え、尾へ外傷を受けたマウスは、体重増加の遅延を示した。特に、メスにおいて顕著であった。また、これらのマウスは、成熟後の社会性行動が変化し、血中コルチコステロン値は高い値を示す傾向にあった。以上の結果から、特定の親が不在である環境そのものは、仔の発達へ影響しないが、仔のストレス脆弱性を構成する環境要因となり得る可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ほ乳類における養育者との安定した関係の構築は、子の精神的発達においても重要である。しかし、その生物学的意義を研究した例は少ない。本研究では、一貫した養育者との安定した関係が、子のストレスの影響に対する緩衝要因となる可能性が示された。養育者と子の関係はほ乳類に広く認められるため、本研究成果はほ乳類の子のストレス脆弱性、または、耐性を構築する環境要因の解明へ向けた基礎的知見として位置付けられる。
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