研究課題/領域番号 |
19K16033
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
山口 碧 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術支援センター, 基盤技術研究職員 (20593643)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ミトコンドリアDNA / ミトコンドリアDNA量 / マウス / CRISPR/Cas9 / ミトコンドリア DNA / ミトコンドリア DNA量 / コピー数変化 / 時計遺伝子 / 時間生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリアはミトコンドリアDNA(mtDNA)を細胞内に複数コピー持ち、呼吸鎖に必須の遺伝子を有する。このため、細胞のエネルギー要求性に応じてmtDNA量は適量に調節されていると言われている。細胞のエネルギー要求性は生体の生理現象・行動の概日リズムによる支配を受け1日の間で非常に変化に富んでおり、興味深いことに、ミトコンドリア呼吸についても日周変化を示す。しかしながら、mtDNA量の日内変動やその制御機構と分子時計の相互関係については明らかにされていない。そこで本研究課題では哺乳類モデルとしてマウスの多様な組織における時間生物学的なミトコンドリアの機能維持機構の理解を目指す。
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研究実績の概要 |
ミトコンドリアDNA(mtDNA)はエネルギー産生に関わる遺伝子群をコードしており,細胞内で多コピーゲノムとして存在している。mtDNAは個体の生存に必須な極めて重要なゲノムであり、適切な量の維持はミトコンドリアの健全性を保つための重要なファクターとして注目されている。mtDNAの量は生理的環境変化に応じて変動性を示すことが知られているが、本研究ではmtDNA量およびその合成系、分解系の日内変動やその生理的意義を個体レベルで明らかにすることを目的として実験的検証を行なっている。これまでに、研究代表者はマウスから経時的に採取した特定組織のmtDNA量およびmtDNA複製関連遺伝子の発現が時間依存的に変化していることを明らかにした。さらにCRISPR/Cas9システムを用いて時計遺伝子欠損マウスの樹立を目的として、高効率の変異導入を実現する標的guide RNA(gRNA)を複数選定し、ノックアウト(KO)個体の作製を試みた。具体的にはCas9タンパク質と複数の候補gRNAの複合体をエレクトロポレーション法によってマウス受精卵に導入し、胚盤胞期胚の変異導入効率を解析することで十分な切断効率を有するgRNAを複数選定した上でKOマウスの作製に進んだ。しかしながら、得られた産仔に目的の変異導入が認めらなかったり、産仔が全く得られなかったりといった結果となり、目的の時計遺伝子欠損マウスの作製が難航している状況である。現在、標的配列の再設計を行っており、引き続きKOマウスおよび必要に応じてコンディショナルKOマウスの作製を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は妊娠に伴う体調不良により本研究にエフォートを割くことが困難であった。また年度途中から「産前産後の休暇又は育児休業の取得に伴う科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長承認」を取得しており、研究計画を中断しているため進捗状況は遅れていると判断した。2023年度は主に実験用マウスの系統維持、新規変異マウス作製後の産仔、仮親の維持管理を行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究再開後の実施計画によりmtDNA量の概日リズムの存在および分子時計による制御について詳細に明らかにすると共に、その生理学的な意義を個体レベルで明らかにし、得られた結果を取りまとめ成果の発表に繋げる予定である。
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