研究課題/領域番号 |
19K16037
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
岡田 俊平 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 助教 (40838372)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Rループ / DNA:RNAハイブリッド鎖 / イノシン修飾 / A-to-I RNAエディティング / ADAR1 / DNA:RNAハイブリッド鎖 / 核酸修飾 / ナノポアシーケンサー / RNA修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム上にはDNAとRNAが塩基対を形成したDNA:RNAハイブリッド鎖と一本鎖のDNAから成るRループ構造が存在する。この構造はヒトゲノム上に多数存在することが示唆されているがその具体的な位置及び細胞機能、制御因子については未解明な部分が多く存在する。本研究ではまずRループ構造の新規検出技術を開発し、ヒトゲノム上のどこでRループ領域が形成されるかについての網羅的な探索からRループ領域の全体像を明らかにする。さらにRNA修飾に着目してRループ領域形成の新規制御機構の探求を行い、細胞内での機能並びに意義の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
ゲノム構造のRループの異常な蓄積は細胞に障害を起こすため、Rループを解消する機構は細胞にとって重要である。Rループ構造の解消にエピトランクリプトミクスのひとつであるイノシン修飾が関わることが示唆されている。本研究では、Rループ上でのイノシン修飾部位を同定する技術の開発を進めた結果。イノシン塩基と特異的に反応する新規化合物を見出し、反応後のイノシン誘導体を有する核酸オリゴを生化学的に濃縮精製する条件を決定した。さらに、イノシン修飾反応を担う酵素ADAR1が解消するRループ領域を探索した結果、炎症応答に関わる転写因子領域のRループが検出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により既存の手法では困難であったRループ上のイノシン化部位の同定への道が切り拓かれた。イノシン化部位が同定されれば、ヒトゲノムのRループ形成領域の全体像が分かり、Rループ解消の分子機構が明らかになる。Rループの解消の促進は細胞のガン化に関わり、一方、Rループの異常な蓄積は神経変性疾患や自己免疫疾患の発症に繋がる。それゆえ、イノシン修飾を介したRループの解消機構の解明はそれらの疾患の予防・治療法の開発に貢献することが見込まれる。
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