研究課題/領域番号 |
19K16040
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
長友 啓明 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (30746813)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 胚性ゲノム活性化 / 雌雄前核 / ゲノム編集 / 顕微授精 / 雄核発生胚 / 細胞融合 / 雌核発生胚 / 初期胚 / 胚操作 |
研究開始時の研究の概要 |
個体発生の起点となる1細胞期に起きる現象は他の細胞に類を見ない特異な現象であるため、不明な点も多い。1細胞期は雌雄ゲノムがそれぞれ前核として別々に存在しており異なる遺伝子発現をしていると考えられるが、1つの細胞内に存在するため、各前核の遺伝子発現を特異的に制御しその後の発生を調査する方法がこれまでなかった。そこで本研究では1細胞期の雌雄ゲノムを半数体の状態で別々に作製し、2細胞期に融合することで1つの2倍体胚とする雌雄半数体融合胚生産方法を検討し、1細胞期に別々の転写制御処理を可能とし、1細胞期における雌雄ゲノムの機能差を調査することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
マウスでは、1細胞期から最初の遺伝子発現が開始され、minorZGAとmajorZGAが連続して起こる。受精後、minorZGAが起こる1細胞期では雌雄ゲノムは別々に雌性前核、雄性前核として存在しており、それぞれの遺伝子転写も異なると考えられている。しかし雌雄ゲノムの機能差を直接的に比較し、その後の発生に及ぼす影響を調査する方法がこれまで存在しなかった。そこで本研究では発生工学的な手法で1細胞期における雌雄前核の遺伝子発現を別々に調節可能でなおかつ個体として正常に発生可能な系の構築というアプローチから、1細胞期の雌雄ゲノムの機能差を明らかにすることを目的とした。 これまでの研究で、雌雄半数体胚を2細胞期に割球融合することで効率的な産仔作製が可能となった。本年度はその手法を応用し、雌雄半数体胚それぞれでゲノム編集を行い、コンパウンドヘテロ接合体を作出することに成功した。これまで、コンパウンドヘテロ接合体を作出するためには、別々の変異個体を作出し、交配で掛け合わせて作出されていたが、本研究により、大幅に時間短縮することが可能となった。疾患モデルマウスの作製において有用な手法が開発できた。現在、論文投稿準備中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1細胞期での雌雄ゲノムの遺伝子発現解析について遅れていたが、応用研究として雌雄ゲノムそれぞれで、異なるゲノム編集した個体を作出する効率的な手法の開発に成功し、論文投稿準備段階に入っているため、おおむね順調とした。
|
今後の研究の推進方策 |
ほぼデータが揃ったため、雌雄ゲノムの遺伝子発現解析に関する論文と、コンパウンドヘテロ接合体の作出に関する論文をまとめ、投稿することに注力する。
|