研究課題/領域番号 |
19K16041
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小圷 美聡 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (90565813)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | hiPS細胞由来心筋細胞 / 心室筋細胞 / 心房筋細胞 / 成熟化 / ヒトiPS細胞由来心筋細胞 / レポーターiPS細胞株 / 化合物スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトiPS細胞由来心筋細胞は心室筋・心房筋細胞を主としたサブタイプ細胞が混在した胎児期レベルの細胞である。臨床応用に際して、より成熟化した細胞が求められているが十分な成熟化法は確立されていない。本研究は成熟したヒトiPS細胞由来心筋細胞を安定的に得ることを目的とする。まず、心筋細胞の成熟度を蛍光で可視化できるヒトiPS細胞株を作製し、心室筋・心房筋細胞を作り分ける。次に各サブタイプ細胞を用いて化合物ライブラリーの中から蛍光強度を指標に成熟化促進化合物を探索・同定する。さらに、同定した成熟化化合物の作用メカニズムを明らかにすることでヒトiPS細胞由来心筋細胞の本質的な成熟化メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
ヒトiPS細胞由来心筋細胞の成熟化とそのメカニズム同定を目的に、成人心臓組織で発現の高くなる遺伝子Aの発現を可視化できるレポーターiPS細胞株を作製、この細胞株由来心筋細胞を用いた約6600化合物ライブラリーを用いたスクリーニングによって、遺伝子Aの発現を亢進させるT325化合物を同定した。この化合物を添加して分化した心室筋細胞、心房筋細胞ともに遺伝子の発現が成熟化に伴う変化と同様の挙動を示し、細胞内の筋小胞体におけるCa2+貯蔵能の向上が認められた。また、成熟化メカニズムとして神経伝達物質受容体の活性調節という新規メカニズムを同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトiPS細胞由来心筋細胞(hiPSC-CMs)は薬剤開発に有用な疾患モデル細胞の作製や再生医療への応用が期待されているが、成人の細胞と比較して成熟度が低く、機能、構造面で大きな乖離があるのが現状である。我々は化合物ライブラリーの中からhiPSC-CMsの成熟度を亢進する化合物を見出した。この化合物を数日間細胞に添加することで、心室筋細胞、心房筋細胞における遺伝子レベルでの成熟度の上昇と、心筋細胞の収縮に重要なCa2+の細胞内濃度の調節能の向上が確認された。また、化合物は神経伝達物質受容体を介して成熟化を誘導していることを明らかにするなど今後の成熟化心筋細胞作製に重要な知見を得た。
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