研究課題/領域番号 |
19K16042
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
河添 好孝 九州大学, 理学研究院, 助教 (60805422)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | PCNAアンローディング / ミスマッチ修復 / クランプローダー複合体 / DNA複製 / ツメガエル卵抽出液 / 試験管内再構成 / PCNA / クランプローダー / アンローディング |
研究開始時の研究の概要 |
複製クランプPCNAのDNA上でのダイナミクスは、PCNAを足場として引き起こされる様々な反応を協調的に機能させるために非常に厳密に制御されなければならない。したがって、PCNAアンローディングはPCNAダイナミクスの理解に重要なポイントである。本研究では、生理的な環境を再現できる解析系と生化学的解析系の両方のアプローチから、生体内でのPCNAアンローディングに対するクランプローダー複合体の機能制御、そしてミスマッチ修復機構によるPCNAアンローディングの阻害メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
複製クランプPCNAは、DNA複製や修復に関与する様々な因子の足場として機能することで、それらの反応を統御するDNA複製に必須の因子である。本研究では、PCNAのDNAからの脱装着(アンローディング)反応に着目し、クランプローダー複合体やミスマッチ修復機構によるPCNAアンローディングの制御メカニズムの解明を目指した。ツメガエル卵抽出液を用いた解析から、Elg1-RFCが主たるPCNAアンローダーであることが明らかとなった。さらに、精製Elg1-RFCのみではPCNAアンローディング活性を示すのに不十分であり、未同定の因子が制御に関わる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PCNAのDNA上でのダイナミクスは、DNA複製反応や修復反応を適切に行うために厳密に制御される必要がある。実際、PCNAアンローダーと考えられているElg1の欠失は、ゲノムの変異や染色体再編の頻度を上昇させ、多くの臓器に腫瘍形成が起こることも知られている。本研究におけるPCNAをDNAからアンロードさせる反応の生化学解析により、その制御メカニズムの一端が明らかとなった。また、Elg1-RFCの活性制御因子が存在する可能性も示唆された。本研究成果は、DNA複製完了時の反応に関する知見を与えただけでなく、Elg1-RFCの活性制御因子の同定は腫瘍形成の抑制につながる可能性がある。
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