研究課題/領域番号 |
19K16055
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
槇野 義輝 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (80822337)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | NMR / Ras蛋白質 / SACLA/SPring-8 / 創薬科学 / 構造生命科学 / 構造生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光制御可能なcaged-GTPを活用することで、がん遺伝子産物Ras蛋白質のGTP加水分解反応過程に伴う動的構造変化を、NMR分光法、X線自由電子レーザー施設SACLA、並びに大型放射光施設Spring-8を駆使して補足し、可視化することを目的としている。当該研究で期待される成果は未だ成功例のないRas蛋白質を標的とした新規抗がん剤の開発に資する構造生物学的知見を与える。
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研究成果の概要 |
低分子量G蛋白質Rasは、GTP加水分解反応過程を通して細胞増殖や生存維持に係る細胞内シグナル伝達を制御する分子スイッチとしての機能を担う。本研究ではRasを標的とした新規がん治療薬開発にむけた基盤的知見を収集するために、光制御可能なcaged-GTPを用いて、X線自由電子レーザー施設SACLA、大型放射光施設SPring-8、並びに核磁気共鳴(NMR)分光法を駆使することで、RasのGTP加水分解反応過程の動的構造情報を取得した。その結果、Rasの構造ダイナミクスが活性制御メカニズムを巧みに制御している可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Rasはがん全体の約30%で常時活性化しており、がん治療薬の標的分子である。そのため、本研究で得られた機能―構造相関の結果は新たな創薬基盤情報となり得る。さらに、RasのGTP加水分解反応は酵素触媒反応のひとつであり、その作用メカニズムを結晶構造解析のみならず溶液、固体NMRを融合して解明した試みは、他の低分子量G蛋白質等の作用メカニズムの解明へと波及することが期待される。
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