研究課題/領域番号 |
19K16057
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2023) 九州大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
鈴木 干城 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (80833334)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 麻疹ウイルス / ヘマグルチニン / 膜融合 / X線結晶構造解析 / 構造生物学 / モルビリウイルス / 感染症 / ウイルス / 麻疹 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では麻疹ウイルスの細胞感染メカニズムを解明することを目的とする。そのためにH-F複合体の調製を行い、X線結晶構造解析によりその立体構造を明らかにする。得られた複合体構造と既知の単独構造に基づいて構造比較を行い、膜融合制御機構仮説を立てる。その仮設に基づき、変異体ウイルスを作成し、細胞への感染実験により仮説の検証を行う。
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研究成果の概要 |
麻疹(はしか)を起こす麻疹ウイルスは、高い感染力を示し、一過性の免疫抑制を起こすため、高い病原性を示す。その医学的重要性にもかかわらず、未だ感染メカニズムは十分理解されていない。ウイルスのエンべロープ上には2つのタンパク質、ヘマグルチニン(H)と融合タンパク質(F)が存在する。Hは宿主細胞上の受容体を認識して、Fを活性化することで膜同士の融合を引き起こし、細胞にウイルスゲノムを送り込む。本研究では、Fの活性化を担うHのstalkドメインの結晶構造解析を行い、ウイルス感染における膜融合制御モデルを提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
麻疹(はしか)には予防のためのワクチンはあるものの、一旦発症すると治療法が存在せず、未だに世界全体で約13万人の死者を出している。また、低頻度ながら、感染から数年を経て致死性脳炎を発症する等の問題があり、有効な抗ウイルス薬の開発が望まれている。本研究では、ウイルスの感染に必須となるヘマグルチニンタンパク質の結晶構造解析を行い、その立体構造を解析した。さらに解析した立体構造に基づいて、ウイルスによる細胞感染モデルを提案した。我々が明らかにした結晶構造は有効な抗ウイルス薬開発の構造基盤としても活用が期待できる。
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