研究課題/領域番号 |
19K16075
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土谷 正樹 京都大学, 工学研究科, 助教 (00837338)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | CRISPRスクリーニング / ホスファチジルコリン / TMEM30A / 脂質代謝動態 / 脂質ラベル化 / オルガネラ膜 / 細胞膜 / クリック反応 / 細胞内有機化学 / 細胞膜脂質 / イオンチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜には、さまざまな種類の脂質が存在し、膜の内外や局所で偏って分布している。この細胞膜の特殊な脂質環境がイオンチャネルなどの膜タンパク質にどのような役割を果たすのか、よく分かっていない。本研究では脂質の動態・代謝に関わるタンパク質に着目したスクリーニングによって、イオンチャネルを制御する脂質関連タンパク質群の同定を目指す。さらにその働きを調べることで、脂質とイオンチャネルの機能連関の解明を狙う。
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研究成果の概要 |
細胞膜に存在するリン脂質分子と膜タンパク質の機能的な関係を明らかにするために、哺乳動物の主要な膜リン脂質であるホスファチジルコリンが細胞膜脂質二重層に正しく分布するために必要な遺伝子群をCRISPRスクリーニングにより同定することを試みた。生合成されたホスファチジルコリンが細胞膜外層に表出する事象に強く寄与する遺伝子としてTMEM30Aを同定した。TMEM30A欠損細胞では、形質膜外層のホスファチジルコリンが減少した一方で他のリン脂質ホスファチジルセリンとホスファチジルエタノールアミンが増加したことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人の健康と疾患に強く関わり薬剤開発の標的分子としてイオンチャネルなどの膜タンパク質は注目されている。その膜タンパク質は膜脂質に覆われた状態で機能している。今回のスクリーニングにより、ヒト細胞の脂質を半分近く占めるホスファチジルコリンの細胞膜分布を制御する因子としてTMEM30Aを発見した。TMEM30Aはいくつかの膜受容体タンパク質の機能に関連することが報告されている。今回の研究結果から、TMEM30Aを介したホスファチジルコリンの分布調節が膜タンパク質の機能発現に寄与する新しい可能性が浮かび上がった。
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