研究課題/領域番号 |
19K16076
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松久 幸司 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (60735299)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 核膜ストレス / OASIS |
研究開始時の研究の概要 |
細胞がDNA損傷などの刺激を受けると、細胞核を覆う核膜の一部が異常な構造を形成する。この異常構造部分では核膜のバリア機能が低下しており、ゲノムDNAが更なる損傷を受ける。このような異常構造はやがて修復されるが、その詳細な分子機構は不明である。 申請者は小胞体膜貫通型転写因子であるOASISタンパク質がこの核膜の異常構造に集積していることを見出している。そこで本研究課題ではOASISタンパク質の機能を解析することで核膜修復機構の詳細を明らかにする。
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研究成果の概要 |
細胞は核膜によりゲノムDNAを保護している。一方で、DNA損傷をはじめとする様々な刺激により核膜が損傷することが知られている。この核膜の損傷は更なるDNA損傷を誘発し、細胞の癌化を引き起こす。我々は小胞体膜貫通型転写因子OASISが損傷した核膜へと集積することを見出した。この集積は核膜の裏打ち構造である核ラミナの崩壊が引き金になっている こと、OASISのN末端側細胞質領域が核膜損傷部位への集積に重要であることが分かった。さらにOASISは核膜修復に関与する核内膜構成分子LAP2βと相互作用しており、OASISが核膜修復において何らかの機能を発揮している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、核膜の構造異常は早老症や癌の発症・病態形成に関与していると言われている。本研究課題においてOASISが核膜の異常構造へと集積して核膜の保護あるいは修復に重要な役割を果たすことが示唆された。このことは、上記疾患の病態形成メカニズムを理解するための重要な知見となる。またそのメカニズムを基に核膜保護や損傷修復を亢進させることが出来れば、上記疾患の予防法あるいは治療法の開発へと繋がることが期待される。
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