研究課題/領域番号 |
19K16083
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
矢野 直峰 茨城大学, フロンティア応用原子科学研究センター, 産学官連携助教 (60724721)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | タンパク質 / 中性子結晶構造解析 / 連続波長中性子 / データ処理法 / 強度分離 / データ処理法の開発 / 単結晶中性子構造解析 / 長格子 / 強度分離法 / 飛行時間法 / iBIX / 長格子単結晶 / 強度分離法の開発 |
研究開始時の研究の概要 |
茨城県東海村の大強度陽子加速器施設にあるiBIXは、国内で唯一利用できる生体高分子用中性子回折装置である。iBIXは膜タンパク質を含むほとんどのタンパク質で水素原子やプロトンの位置を決定できる。しかし、135オングストロームを超える格子定数の大きな単結晶の回折データ収集時には中性子の波長、散乱角、測定方位により回折斑点が重なることがあり、それらの回折斑点の個々の強度を決定することができない。そこで、本研究では重なった回折斑点で個々の強度を決定する方法を開発する。本研究により、プロトン輸送機構の解明などタンパク質の詳細な反応機構が解明され、人工光合成の実現などの波及効果が期待できる。
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研究成果の概要 |
茨城県東海村の大強度陽子加速器施設J-PARC内に設置されているタンパク質単結晶用中性子回折装置iBIXは格子長の1辺が135Åを超えた場合、中性子の波長、散乱角、測定方位によっては一部の回折斑点が重なり、積分強度を決定出来ないという問題が生じる。そこで、iBIXの測定対象を拡大するためにプロファイルフィッティング法を応用した回折斑点の強度分離法の開発を行った。 開発した方法はiBIX専用のデータ処理ソフトSTARGazerへ実装を行い、グラフィカルインターフェース上で使用出来るようにした。マニュアルを作成し、ソフトと共にユーザーがwebからダウンロード出来るようにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質単結晶用中性子回折装置iBIXでは回折斑点の重なりが生じない測定対象は格子長の1辺が135Åまでであった。強度分離法の開発により一部の回折斑点が重なった場合でも積分強度の決定が可能となった。今後、J-PARCの加速器出力が最大の1MWに達する予定で、これまで測定時間が長くなることから対象とみなされていなかった長格子結晶でも中性子結晶構造解析が可能になることが予想される。加速器出力の増加と強度分離法の開発によりiBIXの測定対象が拡大し、創薬、エネルギー開発、産業の発展などに貢献する可能性が考えられる。
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