研究課題/領域番号 |
19K16089
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
外間 進悟 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (00757635)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ナノダイヤモンド / 量子センサ / 熱伝導率 / 細胞 / 金ナノ粒子 / 温度計測 / ポリドーパミン / 量子センサー / 化学修飾 / 温度 / 表面化学修飾 / 酸化処理 / NVセンター |
研究開始時の研究の概要 |
FND内部に存在する窒素空孔中心(NVC)のスピン量子状態は磁場・電場に対して鋭敏な応答を示し、これをNVCから発せられる蛍光信号を通して読み取ることができる。すなわち、FNDを細胞内に導入する事により、細胞内のナノスケールに生じる温度・磁場を計測することができる。しかし現状、FNDにはその物理・化学的性質に問題があり細胞内センシングは困難であり未だ達成されていない。本研究では、物質化学・有機化学を駆使し、高品質なFNDを調整することにより、FNDを細胞内量子センサーとして応用する基盤技術を確立する。そのうえで、細胞内温度センサーとしての有用性の検証を行う。
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研究成果の概要 |
ナノ領域の温度計測が可能な蛍光性ナノダイヤモンド(FND)と発熱する高分子であるポリドーパミン(PDA)を組み合わせて、一体型ナノヒーター/温度計(FND-PDA)を新開発した。このFND-PDAを使うことによってナノ領域の熱伝導を計測可能であることを実証した。細胞内にFND-PDAを導入して熱伝導率を計測し、細胞の熱伝導率の絶対値を計測することに成功した。その結果、細胞の熱伝導率は水と比較しておよそ6分の1程度であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内の熱伝導率はこれまで細胞1個の平均値としてしか知ることができず、細胞局所の熱伝導率を計測する方法は確立されていなかった。本研究では、蛍光性ナノダイヤモンド(FND)を用いた細胞内ナノ領域の熱伝導計測法を新開発し、それが水よりも6分の1程度小さくまた細胞内に渡って大きなばらつきを持つことを明らかにした。細胞内における小さな熱伝導率と大きなばらつきは、細胞内に大きな温度勾配を作り出すことが可能であり、細胞内温度が細胞機能を制御するという新しいメカニズムが示唆された。
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