研究課題/領域番号 |
19K16094
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
鳥澤 嵩征 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 助教 (60749406)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 分子モーター / 細胞質ダイニン / 微小管 / C. elegans / 細胞骨格 / ダイニン / 細胞核配置 |
研究開始時の研究の概要 |
生物種や組織,発生の段階などに応じて,細胞の大きさを中心とした物理的性質は大きく異なり,また時々刻々と変化していく.これらの性質の違いや変化は,生命現象を駆動する種々のダイナミクスにも影響すると考えられる.本研究では「細胞内における核の配置」という,染色分配を始めとする現象の基盤となる具体的なプロセスに着目し,核配置に関与する複数の力学作用が細胞サイズに依存していかに寄与を変化させるかという問題にアプローチする.
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研究成果の概要 |
細胞サイズに依存した細胞内環境の変化を調べるため、線虫の生殖腺に対するインジェクションを通して、初期胚への微小粒子や精製タンパク質を導入する技術を確立した。この技術を用いて蛍光微小粒子を初期胚に導入し、運動を観察することで、初期胚の細胞質における易動度が細胞のサイズおよび発生の段階に応じて減少していくことを明らかとすることができた。 また、ゲノム編集による内在性タンパク質に対するタグ付けを行うことで、細胞内で核や紡錘体の配置に関与する力発生因子である細胞質ダイニンを線虫個体から精製することに成功した。精製したダイニンの運動計測を通じて、分子モーターの種間での性質の違いが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多細胞動物の発生では卵割によって細胞サイズが大きく変化し、細胞質の物理的性質や核と細胞のサイズ比なども変化していくことが想定される。本研究によって明らかとなった細胞サイズに依存した細胞質の易動度変化は、細胞サイズが変化していく際に細胞内プロセスが受ける影響を考える上で、基礎的な知見として資するものである。また、今回確立した簡易なタンパク質インジェクション法は、多細胞のモデル生物であり発生過程が安定している線虫を用いて、様々なタンパク質に対して遺伝的操作よりも大きな変化を与えた条件下での観察を可能とする応用可能性を有している。
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