研究課題/領域番号 |
19K16125
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
|
研究機関 | 京都大学 (2022) 大阪大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
橋爪 脩 京都大学, 工学研究科, 助教 (50755692)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | Mg2+ / CNNM / PRL / ATP / ミトコンドリア / がん悪性化 / マグネシウム / 活性酸素種 / エネルギー代謝 / ROS / 腸上皮細胞 / 酸化ストレス / NADH / 酸素消費 / トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内Mg2+を排出するトランスポーターCNNMの変異体線虫は、腸細胞でのMg2+蓄積によりミトコンドリアの活性酸素種(ROS)が増加し寿命が短くなる。ATPレベルも上昇していたことからミトコンドリアのエネルギー代謝異常が考えられた。Mg2+蓄積はがん悪性化への寄与も示唆されている。そこで、本研究では培養細胞や線虫、マウスを用いて過剰なMg2+によるミトコンドリアでのATPとROS過剰産生のメカニズム、そしてがん悪性化への寄与を明らかにし、Mg2+を排出するトランスポーターであるCNNMが進化的に高度に保存され、細胞内でのMg2+の過剰蓄積を回避する機構が存在する生物学的意義の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
細胞内のMgイオンを排出するトランスポーターCNNMの抑制による細胞内でのMgイオンの過剰蓄積の影響を培養細胞や線虫、モデルマウスを用いて解析した。培養細胞では細胞内の過剰なMgイオンはミトコンドリアでのATP産生を加速させ、それに伴いROSが過剰産生されることを、cnnm変異体線虫ではその過剰なROSが寿命短縮の原因となることを、腸で強く発現するCnnm4の欠損マウスではMgイオンが蓄積すると思われる腸上皮細胞で酸化ダメージや細胞増殖が増加することを明らかにした。細胞内でのMgイオン過剰蓄積はがん悪性化を引き起こすことがわかっており、今回の研究からROSがその一因であることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Mgイオンは細胞にとって必須な物質の一つであり、細胞内のMgイオンレベルは厳密に保たれている。CNNMの抑制による細胞内でMgイオンの過剰蓄積によりROSが過剰産生され、線虫では寿命の短縮、マウスでは腸上皮細胞の異常増殖を引き起こすことを明らかにした。CNNMが進化的に広く保存されていることからも細胞内のMgイオンの過剰蓄積は細胞にとって避けるべき状況であると考えられ、CNNMのような細胞内のMgイオンを排出するトランスポーターが存在することの生物学的重要性が明らかになった。
|