研究課題/領域番号 |
19K16135
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 記緒 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10803885)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 栄養膜幹細胞(TS細胞) / 胚体外細胞系譜 / 胚体外細胞系 / 分化転換 / 細胞運命決定 / ヒト胎盤発生 / 栄養膜幹細胞 / 胚性幹細胞 / エピゲノム / ゲノムインプリンティング / 転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
胚盤胞の形成により、内部細胞塊(ICM)と栄養外胚葉(TE)に細胞系譜は分離し、胚体細胞と胚体外細胞に細胞運命が決定される。マウスの場合、ICMとTEの細胞運命決定には、OCT3/4とCDX2が必須である事が知られているが、ヒトでは明らかになっていない。本研究では、ヒトES細胞からTS細胞に分化転換するモデル(ES-TS細胞)を作成し、分化転換に伴う転写因子ネットワークとエピゲノム変化について解析する。さらに、遺伝子発現誘導(Tet-on)システムを用いて、胎盤発生に必須の転写因子をES細胞に強制発現させ、TS細胞への分化転換を確認し、ヒト胚体外細胞系譜への運命決定機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ヒト受精卵は胚体と胚体外の両方に分化可能な全能性を有するが、この分化全能性は着床期以降に消失する。この仕組みを解明するため、ヒト胚性幹(ES)細胞から栄養膜幹(TS)細胞へ分化転換を行った。分化転換した細胞は増殖・分化能の低下を示し、霊長類特異的なインプリント遺伝子C19MCが関与していることを突き止めた。本研究はヒト特異的なインプリント制御が分化全能性の消失に関与する可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
霊長類特異的なインプリント遺伝子C19MCはTS細胞では高発現しているが、ES細胞および分化転換細胞では発現しておらず、ES細胞からTS細胞への分化転換を阻害するエピジェネティック障壁として機能していた。よって、ヒト受精卵における胚体と胚体外細胞の運命決定にC19MCのインプリント制御が関与している可能性が考えられる。また、C19MCの遺伝子座は霊長類に高度に保存されており齧歯類では保存されていない。今後、ヒト特異的な発生機構の解明が、不妊や流産の原因の解明や安全な生殖補助医療の提供などに役立つと期待される。
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