研究課題/領域番号 |
19K16136
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
樫尾 宗志朗 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (40823307)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 組織再生 / ショウジョウバエ / GPCR / タキキニン / 組織修復 / 再生 / 組織連関 / 代謝 / 組織間相互作用 / トリプトファン代謝 / キヌレニン / 体内環境 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、組織修復を制御する体内環境受容システムの解明を目指す。 自身のショウジョウバエ遺伝学とメタボローム解析を用いたこれまでの研究によって、体液に放出された代謝産物が、遠隔的に組織修復に寄与することが明らかになった。ここから、傷害組織での未知の受容メカニズムが遠隔的組織修復に寄与していることが示唆された。 申請者は修復組織の受容システムに着目し、代謝産物による組織修復の分子機構を明らかにする計画を立てた。具体的には、傷害組織における候補受容体のRNAiスクリーニング、細胞とプレートリーダー を用いた結合実験、および修復プロセスの遺伝学的な解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、組織修復に寄与する体内環境受容システムの解明を目的とした。これまでに遠隔的な再生制御が明らかになってきたが、どのように体内環境が受容されるかについての研究は進められていなかった。そこで、ショウジョウバエ翅成虫原基の修復に寄与するGPCRスクリーニングを行なった。結果、哺乳類タキキニン受容体のオーソログであるTkR86Cが再生に寄与することが判明した。神経における高い発現が見られたことから、神経特異的にTkR86Cのノックダウンを行ったところ、修復阻害が遠隔的に誘導された。本研究によって、神経におけるTkR86Cが遠隔的に再生に寄与するという、新たな修復制御システムの発見に繋がった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存の組織再生研究は修復組織の変化に着眼したものが多かったが、本研究では傷害を受けていない周辺組織からの遠隔的な制御に着目し、再生を制御する受容システムの探索に取り組んだ。 受容体の最大ファミリーであるGPCRに着目し、ショウジョウバエ翅成虫原基の修復に寄与するGPCRスクリーニングを行なった結果、神経におけるTkR86Cが遠隔的に再生に寄与するという、新たな修復制御システムの発見に繋がった。修復組織から離れたTkR86C神経がどのように修復に寄与するかの分子機構の解明は、新たな修復制御、ひいては新たな治療戦略に影響を与える端緒となることが期待される。
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