研究課題/領域番号 |
19K16138
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山元 孝佳 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (70724699)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | Toll-like receptor / Xenopus / 頭部形成 / 発生・形態形成 / Toll様受容体経路 / 細胞分化 / アフリカツメガエル |
研究開始時の研究の概要 |
Toll様受容体経路は、脊椎動物と節足動物の両方で自然免疫応答において重要な役割を担っている。またToll関連因子は節足動物と脊椎動物のどちらでも初期胚で高発現している。これと一致して節足動物では、背腹軸形成や細胞移動に必須の役割を担うことが知られているが、脊椎動物では、成体の海馬における神経細胞サブタイプの分化に関わることが知られるのみで、初期発生における役割はほとんど明らかになっていない。 そこで本研究ではToll経路の因子の1つであるIrak1を中心として、Toll経路が頭部誘導など初期発生を制御する可能性を検討し、さらにその分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、自然免疫応答で必須なToll様受容体経路(Toll経路)の因子、Irak1の初期発生での役割を調べた。ツメガエル胚でIrak1を異所発現させるとWntシグナル経路の標的遺伝子であるSiamoisやXnr3が発現し、頭部が誘導された。Irak1をノックダウンすると頭部形成が部分的に阻害された。またIrak1はWnt経路のGSK3β発現による頭部形成抑制を回復させたが、その上流で機能するDishevelledを阻害した際には回復できなかった。すなわちIrak1は頭部形成に必要で、Wnt経路においてDishevelledあるいはその上流に作用していると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではToll経路からWnt経路に至る新たな分子経路を発見した。これは、発生・自然免疫の基礎的知見として重要である。また免疫系のがん細胞ではToll経路によるWnt経路の活性化が想定されている (Ma and Hottiger, 2016)が、その全貌は未だ不明である。本研究の成果は、このような医学的に重要な現象の分子機構解明につながる可能性を併せ持っており、実用・応用面での波及効果も期待できる。
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