研究課題/領域番号 |
19K16142
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 京都大学 (2021) 大阪大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
黒田 純平 京都大学, 理学研究科, 特定研究員 (80726521)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | コラーゲン / 細胞外マトリックス / 骨 / ゼブラフィッシュ / 間葉系細胞 / 骨芽細胞 / 鰭 / 骨形成 |
研究開始時の研究の概要 |
魚のヒレ骨は、主に3つの過程を経て形成される。①ヒレの先端にアクチノトリキアと呼ばれるコラーゲンの針状結晶が均一に分布する、②それらを柱状に束ねる、③その基部にリン酸カルシウムを沈着させる。ヒレ骨の配置は、アクチノトリキアの配置に依存し、ヒレ骨が2分岐するためには、②のアクチノトリキアを束ねる過程が重要である。そこで、②の工程を担う細胞群の挙動をin vitro, in vivoで解析することで、ヒレ骨のパターン形成機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
研究代表者は、ゼブラフィッシュのヒレ骨の先端部に分布するコラーゲン繊維の構造体であるアクチノトリキアを「束ねる」という物理的な作用が、ヒレ骨の分岐パターンの形成に重要であるということを見出した。また研究代表者が独自に開発したin vitroの培養系によって、この「束ねる」工程を担っている細胞は、間葉系細胞であることを明らかにした。さらに、FIB-SEMを用いてin vivoにおけるアクチノトリキア周囲の連続電顕観察を行うことで、細長い仮足を複数発達させアクチノトリキアに巻きつく間葉系細胞の詳細な3D構造を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
形態形成の問題を扱う従来の発生生物学の研究は、基本的には遺伝子変異をベースにしたものが中心であったが、研究代表者は、もっと物理的な作用が骨の形態形成に関わる大きな要因であると考え、実際にアクチノトリキアを物理的な力で束ねる細胞を特定し、この作用が果たす役割について見出した。これまでこのような物理的な作用で、骨の形態形成を説明した例はほかになく、本研究成果が果たす学術的なインパクトは極めて大きいと考える。また魚類の対ヒレと他の脊椎動物の四肢は相同な器官であることから、本研究課題によって得られた知見は、脊椎動物全般の、骨の形態形成原理の理解に大いに貢献できると推測する。
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