研究課題/領域番号 |
19K16143
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松花 沙織 神戸大学, 理学研究科, 助教 (70767251)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 心臓神経堤細胞 / 心臓発生 / MafB / 遺伝子発現制御機構 / エンハンサー / シス調節領域 / 遺伝子制御ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
神経堤細胞は脊椎動物の初期発生時に生じる、多分化能と移動能を合わせ持つ細胞群である。心臓神経堤細胞は心臓中隔へ分化し、この分化能は心臓神経堤細胞に特有であるが、その分化能を生み出す分子機構はわかっていない。心臓神経堤細胞特異的に発現するMafB遺伝子は心臓神経堤細胞の初期発生に必須である。本研究では、MafB遺伝子を糸口として、MafB機能欠失による心疾患モデルニワトリ胚を用い、心臓神経堤細胞における遺伝子制御機構を明らかにする。さらにMafB遺伝子を用いて他の神経堤細胞から心臓神経堤細胞へのリプログラム効果を検証する。心臓神経堤細胞を特徴づける独自の分化運命決定機構の全容を明らかにする。
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研究成果の概要 |
心臓神経堤細胞は耳胞から第3体節に位置する神経堤領域から生じ、心臓流出路などの心臓形成に貢献する。心臓神経堤細胞は他の神経堤細胞とは異なる特有の分化運命決定機構をもつと考えられているが、その機構は未だ不明である。 転写因子MafBは心臓神経堤細胞特異的に発現し、心臓神経堤細胞の形成に必須な役割を持つ。本研究ではMafB遺伝子の発現調節領域を、ニワトリゲノムにおいて同定・単離した。その制御領域を用いたレポーター遺伝子を作成し、ニワトリ胚内で神経堤細胞の中でも心臓神経堤細胞だけを標識することに成功した。これにより、心臓神経堤細胞の形成初期から移動までの過程を追跡し、その動態を明らかにする結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心臓神経堤細胞の欠損や分化異常は先天性心疾患を引き起こすことが報告されており、心臓神経堤細胞は心臓循環器形成・維持において重要な細胞群である。本研究では、ニワトリゲノムにおいて心臓神経堤細胞特異的に発現するMafB遺伝子の発現調節領域を同定した。この領域は、レポーター遺伝子として利用することで心臓神経堤細胞の追跡・分布を明らかにするだけでなく、心臓神経堤細胞除去実験に応用することができ、心疾患発症機序を再現するモデル胚作成の有用なツールとなる。心臓神経堤細胞に関連した先天性心疾患を引き起こす作用機序の解明やその治療法の確立に貢献できる。
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