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魚類の骨組織におけるパターン形成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K16146
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分44020:発生生物学関連
研究機関北里大学

研究代表者

岩崎 美樹  北里大学, 一般教育部, 非常勤講師 (70792563)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードゼブラフィッシュ / 骨組織 / MMP / ECM / パターン形成 / Mmp9 / 骨芽細胞 / 組織間相互作用
研究開始時の研究の概要

骨は多くの細胞外基質を含む巨大な結合組織であるため、その形や大きさの制御機構はよく分かっていない。本研究は、骨のパターンがどのように制御されているのかを、透明でシンプルな構造を持つゼブラフィッシュの鱗(膜性骨)を用いて明らかにする。鱗を構成する骨芽細胞の増殖・分化に関わる遺伝子を探索し、その機能解析によって鱗パターン形成における骨幹細胞・骨芽前駆細胞・骨芽細胞の役割を明らかにする。

研究成果の概要

骨の形態形成制御機構を明らかにするため、ゼブラフィッシュの骨組織(鱗・舌顎骨)の形成過程を解析した。鱗と舌顎骨の細胞で細胞外基質を分解するマトリックスメタロプロテアーゼ(mmp9)が発現した。鱗では溝条・隆起線を構成する細胞で発現し、細胞を除去すると、再生鱗で溝条の形成が阻害された。舌顎骨では、舌顎骨孔を通り抜ける神経軸索のシュワン細胞と孔の周囲に隣接する破骨細胞でmmp9が発現した。シュワン細胞を除去すると舌顎骨孔周囲の軟骨細胞が過剰に肥大した。破骨細胞が低形成の変異体では、骨形成に異常を示した。mmp9は、軟骨基質、骨基質の分解を促進することで舌顎骨の形態形成に必要であることが示された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

骨の形態形成には、複数の細胞(骨芽細胞・破骨細胞・軟骨細胞)と細胞外基質が協調して働いている。これらの細胞同士がどのように相互作用しているのかよく分かっていない。この研究では、骨芽細胞や破骨細胞による骨リモデリングが骨の形態を制御するだけではなく、軟骨基質、骨基質の分解が重要な役割を担うことを示した。その制御を担う分子としてmmp9を同定した。今後、mmp9の機能解析によって、分解する基質を明らかにし、そのとき生じる周囲の細胞の動態を調べることで、これまで知られていない骨の形態形成メカニズムを解明できると考えている。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] The Genetic Basis of Morphological Diversity in Domesticated Goldfish2020

    • 著者名/発表者名
      Kon Tetsuo、Omori Yoshihiro、Fukuta Kentaro、Wada Hironori、Watanabe Masakatsu、Chen Zelin、Iwasaki Miki、Mishina Tappei、Matsuzaki Shin-ichiro S.、Yoshihara Daiki、Arakawa Jumpei、Kawakami Koichi、Toyoda Atsushi、Burgess Shawn M.、Noguchi Hideki、Furukawa Takahisa
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 30 号: 12 ページ: 2260-2274.e6

    • DOI

      10.1016/j.cub.2020.04.034

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Development of the anterior lateral line system through local tissue‐tissue interactions in the zebrafish head2020

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki Miki、Yokoi Hayato、Suzuki Tohru、Kawakami Koichi、Wada Hironori
    • 雑誌名

      Developmental Dynamics

      巻: 249 号: 12 ページ: 1440-1454

    • DOI

      10.1002/dvdy.225

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulation of Scale Morphogenesis through Wnt/PCP Signaling in Zebrafish2019

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki M, Wada H
    • 雑誌名

      CYTOLOGIA

      巻: 84 号: 4 ページ: 293-294

    • DOI

      10.1508/cytologia.84.293

    • NAID

      130007769551

    • ISSN
      0011-4545, 1348-7019
    • 年月日
      2019-12-25
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] ゼブラフィッシュ舌顎骨のリモデリング2021

    • 著者名/発表者名
      岩崎美樹、川上浩一、和田浩則
    • 学会等名
      第44回 日本分子生物学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ゼブラフィッシュの鱗を構成する多様な細胞の形態的観察2019

    • 著者名/発表者名
      岩崎美樹、川上浩一、和田浩則
    • 学会等名
      Tokyo Vertebrate Morphology Meeting
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] ゼブラフィッシュの鱗は形態の異なる多様な骨芽細胞で構成される2019

    • 著者名/発表者名
      岩崎美樹、川上浩一、和田浩則
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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