研究課題/領域番号 |
19K16151
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
添田 翔 沖縄科学技術大学院大学, 細胞シグナルユニット, ポストドクトラルスカラー (40783858)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 卵細胞 / RNA / 翻訳 / CCR4-NOT複合体 / 初期発生 / mRNA制御 / RNA分解 |
研究開始時の研究の概要 |
分化発生の過程において、細胞特性を変える遺伝子の発現活性化制御が従来研究されてきたが、近年、細胞特性の変化を妨げる遺伝子(disallowed genes)産物の分解制御が重要な働きを持つことが明らかになりつつある。本研究では、マウス初期発生におけるdisallowed genesの同定およびその制御機構の解明を目標にする。このために、mRNAポリA脱アデニル化酵素のノックアウトマウスを用いてRNAシーケンシング等の解析を行う。本研究の達成によって、同定された個々の因子の解析が将来的テーマとなること、従来見過ごされてきた不妊を起こす因子の発見などへと波及していくことが期待できる。
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研究成果の概要 |
CNOT7&8 KO卵細胞の表現型を解析すると、母性mRNA分解の異常だけではなくpoly-A鎖長の変化による翻訳の異常がおきていることが考えられた。これまでCCR4-NOT複合体は母性mRNAの分解に働くことがわかっていたが、今回の解析からこれより早期に重要な機能を持つことがわかった。CNOT7&8 KO卵細胞でトランスクリプトーム解析、プロテーム解析を行ない、これらを比較し翻訳量が増加していると考えられる候補遺伝子を得た。さらにポリソーム分画解析によりこれらの候補遺伝子の翻訳量が上がっていることを確認した。以上よりCCR4-NOT複合体が卵細胞において翻訳を抑制していることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の解析結果からCCR4-NOT複合体によるmRNAポリA鎖長制御の新たな生理的意義が明らかとなった。本研究は、新たな因子の発現、機能の獲得が分化、発生制御の”表の側面”であるとすれば、いわば”隠れた側面”である障害となる因子およびそれらを排除する機構があるのではないかという点を、核心をなす「問い」として捉えて遂行した。CCR4-NOT複合体は卵細胞の発生において時期に適さない遺伝子の発現上昇を抑制する働きがあることがわかったことで、この”隠れた側面”の一端が明らかとなった。
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