研究課題/領域番号 |
19K16153
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
新田 昌輝 基礎生物学研究所, 初期発生研究部門, 特任助教 (50829900)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 平面内細胞極性 / マウス / 卵管 / 恒常性維持 / 損傷修復 |
研究開始時の研究の概要 |
平面内細胞極性は上皮組織の機能に重要であり、細胞の入れ替わりが起こる哺乳類成体の上皮組織においても個体の一生を通して維持される。しかしながら、成体の上皮組織で平面内細胞極性を維持する仕組みは明らかにされていない。本研究では、マウスの卵管の上皮を実験系とし、1細胞レベルでの遺伝子発現プロファイルの解析やイメージングによる解析を通して、幹細胞から供給された未分化な細胞が平面内細胞極性を獲得し、維持する仕組みの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
卵管上皮組織の多繊毛細胞は、卵巣-子宮方向に繊毛を動かし卵を子宮へ輸送する。このような器官の軸に沿って発達する上皮細胞の極性(平面内細胞極性)は器官の機能に必須であるが、絶えず細胞の入れ替わりが起こる上皮組織で平面内細胞極性が維持される仕組みは不明である。本研究ではマウス卵管上皮組織を題材とし、組織に新たに供給された細胞(新生細胞)が多繊毛細胞への分化過程で平面内細胞極性を獲得することを明らかにした。さらに、新生細胞が隣接細胞の向きを読み取ることで自らの向きと器官の向きとを一致させる仮説を検証するとともに、一細胞遺伝子発現解析から、新生細胞が平面内細胞極性を獲得する分子機構の解析を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
発生過程における平面内細胞極性の形成機構はショウジョウバエ翅をモデル系として研究が進んできた。しかし、ショウジョウバエ翅の上皮細胞は羽化直後に死滅するため平面内細胞極性の維持機構の研究には適していない。新たに生まれた細胞がいかにして自らの向きと大きく成長した器官の向きとをすり合わせ、器官全体で細胞の向きが揃った状態が維持されるのか、その機構は未解明のままである。本研究では平面内細胞極性が成体でも維持されるマウスの卵管上皮組織に着目することで、この問題を解決する基盤となる成果を得た。
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