研究課題/領域番号 |
19K16158
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 (2020) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019) |
研究代表者 |
岡本 和子 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任助教 (40710265)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 1分子計測 / 転写因子 / Nanog / ES細胞 / 核 / 1分子計測 |
研究開始時の研究の概要 |
胚性幹細胞(ES細胞)の未分化性の程度として、最も未分化とされるGround stateという状態が存在する。未分化細胞に発現する転写因子の中でも、NanogはGround stateを導く遺伝子ではないかと、長らく示唆されてきた。しかしながら、その作用機序はいまだ解かれていない。そこで、Nanogが今まさに機能する瞬間をイメージングし、その核内挙動から、Ground stateが誘導される作用機序に迫ろうと考えた。1分子イメージングを使用した、実空間・実時間での分子挙動を定量計測し、Ground stateとそれ以外の細胞状態における差異を数値として明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
ES細胞などの未分化細胞において、その未分化性維持に重要だとされる転写因子群が知られている。特に転写因子Nanogは他の転写因子を伴い、未分化性維持に中心的に機能すると考えられている。これら転写因子の機能や、ゲノム上の結合領域などが明らかになる中、転写因子の詳細な核内動態は未知であった。これまで30余年にわたり使用されている1分子顕微鏡法のさらなる発展により、核内で動きまわる分子ひとつひとつの観察が可能になった。そこで、生きて動き回るNanogの実際の振る舞いの観察・計測を行った。本研究は、未分化・脱未分化状態での分子動態の差を計測し、分子動態と未分化維持機構の関係性の一端を明らかにしている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1分子顕微鏡法は、いまや生細胞核内での観察も可能となり、核中で動き回るタンパク質の1分子動態も実測可能である。そこで、未分化維持に重要な転写因子Nanogの核内での振る舞いを実測した。Nanogの結合領域での振る舞いを可視化し、未分化・脱未分化状態での振る舞いの差を定量解析した。特に結合領域での滞在時間に着目し、脱未分化状態での振る舞いに着目した。本研究は、脱未分化状態時に、未分化維持機構を増強するNanog分子の振る舞いを明らかにし、未分化維持機構の一端を分子の振る舞いから説明するものである。
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