研究課題/領域番号 |
19K16161
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神保 晴彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50835965)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 光合成 / 修復 / 脂質 / 代謝回転 / シアノバクテリア / 光阻害 / リパーゼ / ホスファチジルグリセロール / D1タンパク質 / 光化学系II |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光合成の強光応答における脂質分子の代謝回転ついてその分子機構を明らかにする。光は光合成の駆動力となるが、過剰な光は光合成活性の低下を引き起こす。そこで光合成生物は、損傷した光化学系II(PSII)を修復し、光合成活性を維持している。PSIIが修復される過程では、反応中心であるD1が優先的に分解され、新規合成を経て再構築される。D1には多くの脂質分子が相互作用しており、D1が分解される際にはこれらの脂質も分解される必要があるが、その分子機構は全く明らかではない。本研究では、シアノバクテリアの脂質合成変異体に化学合成した脂質を取り込ませ、PSII修復を解析する。
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研究成果の概要 |
光合成は光エネルギーを使って、水から電子を引き抜き、細胞内へと供給している。その結果として、酸素と炭素固定産物が生み出され、地球上のほぼ全ての生物を支える礎となっている。しかし、過剰な光エネルギーは光合成を傷害し、不活性化してしまう。細胞内では、不活化した光合成を修復する機構があるが、膜脂質との関わりは不明であった。本研究では、膜脂質の代謝回転が光合成の修復過程に寄与していることを明らかにした。また、環境ストレスに応答した膜脂質の変化が光合成活性を維持する上で重要な働きを持つことを明らかにし、学術論文として発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低炭素社会への転換に対する世界的な期待から、光合成生物を用いた研究は大きな転換期を迎えると考えられる。 その上で本研究成果は、光合成の修復機構の解明という基礎科学的な側面だけではなく、修復機構を改変することによる光合成生物の物質生産速度の向上などといった応用的な展開が望める。また近年、光合成生物を用いたバイオディーゼルや油脂生産に関する研究が盛んに行われているが、本研究で明らかになったことと融合することで、これまで予想されなかった新たな生産技術の開発に役立てることができると考えられる。
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