研究課題/領域番号 |
19K16170
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
波間 茜 (久保田茜) 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70835371)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 光周性花成 / フィトクロム / 概日時計 / 花成 / 温度応答 / 光周性 / 光受容体 / 環境応答 |
研究開始時の研究の概要 |
適切なタイミングでの花成は、植物の生存戦略としてだけでなく農業においても重要である。花成ホルモンフロリゲンをコードするFT遺伝子の発現は、これまでの実験室条件では、夕方に1回のみであり、そのことを前提とした基礎・応用研究が進められてきた。しかし申請者らは、野外条件においてFTは夕方だけでなく朝方にも発現しており、花成に重要な役割を果たしていることを見出した。そこで本研究では、朝にFTが誘導される分子メカニズムの解明を目的とする。本研究は、外的符合モデルの見直しにつながるだけでなく、植物工場や精密農業にも大きなインパクトをもたらす。
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研究成果の概要 |
本研究では、野外環境における季節性花成応答の分子メカニズムの解明を目的とした。代表者らが独自に確立させた、実験室における野外環境の再構成系を用いることで、フロリゲン遺伝子FTの発現制御機構の解明を試みた。その結果、朝のFT遺伝子発現の制御は主にFR高照射応答を介して制御されることを見出した。また、朝のFTの誘導にはフィトクロムAおよびその相互作用因子であるbHLH型転写因子PIF7が関与することを見出した。以上より、植物は1日のうちに異なる光シグナル経路を使い分けることで、朝夕2回のFT遺伝子の発現量を制御する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
朝夕のFT発現は野外で発見された現象であり、FTは農作物全般に保存された花成ホルモンであることから、本研究の成果は学術面以外にも農業面への応用性を担保しており、実社会への還元性も高い。FTタンパク質は、花成ホルモンとして茎頂で機能する他に種子、気孔においても長距離シグナル伝達物質として様々な形態形成・環境応答を制御する [Kinoshita et al., 2011; Chen and Penfield, 2018]。これらの分野でも夕方にのみFTが機能することを前提とした理解がなされてきたが、本研究で朝FTの環境応答性についての理解が進むことによって、既知の関連因子の機能の見直しにつながる。
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