研究課題/領域番号 |
19K16175
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 (2021-2022) 弘前大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
関井 清乃 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 助教 (50786358)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | プラナリア / 生殖様式 / 共生細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
扁形動物プラナリアには、無性生殖と有性生殖を使い分けるものがいる。この生殖様式の転換を可能にしているのが、プラナリアが全身に有する分化多能性幹細胞であり、ここから生殖細胞を含めたすべての組織を形成できる。しかし無性個体は分裂後、脳も含めてすべて再生するのに、生殖細胞・器官だけは作らず、無性状態を維持し続ける。このプラナリアが無性状態のままでいる仕組みに、最近、共生細菌が関与している可能性が示された。本研究では、この宿主であるプラナリアの無性状態に関与する細菌の存在・機能を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
リュウキュウナミウズムシは無性生殖と有性生殖をつかいわけることができ、実験的に無性個体を有性個体に転換させる系が確立されている(有性化)。先行研究により、リュウキュウナミウズムシの無性個体と有性個体の細菌叢は大きく異っており、宿主の無性状態を維持する共生細菌が存在することが示唆された。本研究ではこのリュウキュウナミウズムシに共生する菌の同定に成功した。また蛍光in situ hybridizationによってそれらが腸内細菌であることを明らかにした。さらに、その機能を推定するためにゲノム解析を行い、この細菌が宿主に及ぼす影響を考える上で重要な経路についていくつかの候補遺伝子を得ることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ボルバキアのように、宿主のオスとメスの比を自分の都合良く操作する共生細菌の存在はすでに知られているが、無性・有性という宿主の生殖様式を変えられる共生細菌の存在はこれまでまだ報告がない。受精卵を経て次世代をのこす有性生殖にくらべ、分裂・再生によって数を増やすプラナリアの無性生殖は共生細菌の増殖にとっても有利となり、そのように自分の利益のために宿主の生殖様式を操作する共生細菌は興味深い報告となる。
|