研究課題/領域番号 |
19K16188
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
渋川 敦史 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特任助教 (80823244)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 波面整形 / ホログラフィ / 光散乱 / 空間光変調 / 光遺伝学 / 波面シェイピング / ロドプシン |
研究開始時の研究の概要 |
光の集束スポットを用いて神経個体を狙い撃ちで制御することによって,例えば問い①「遺伝子に依存しない神経細胞の個性」や問い②「各動物行動の発現に必要な神経細胞の個数」などを明らかにできる.しかしながら,脳組織は光を激しく散乱させるため,「課題①1mm以上の脳深さに光の集束スポットを形成すること」や「課題②神経制御のための十分な光を脳深部に届けること」が現状物理的に難しい. 本研究では,ガイドスター波面シェイピング(解決策①)とアップコンバージョンナノ粒子(解決策②)を介した近赤外光照射を組み合わせることで上記問題を克服し,世界初のマウス脳最深部~5mmでの神経個体の狙い撃ち制御を目指す.
|
研究成果の概要 |
本研究では,「ガイドスター光波面整形」と「アップコンバージョンナノ粒子(UNP)注入による近赤外光照射」を組み合わせることで,2mm以上のマウス脳深部に光スポットを形成可能にする光基盤技術の確立を目指した.初年度は,ガイドスター波面整形の原理実証や擬似サンプルの作製,ホールセルパッチクランプ法の確立等を完了させた.今年度は,生きたマウス脳が示すサブミリ秒の散乱応答変化に追随するための基盤デバイスとして,高速一次元空間光変調器を提案・開発した.来年度以降も引き続き本研究を遂行し,最終目標であるマウス脳深部での光スポット生成に挑戦していく.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果である一次元空間光変調器は,最大25MHzのフレームレートを原理的に達成可能であり,このフレームレートは,これまでの世界記録から二桁以上の大幅な改善に相当する.この一次元空間光変調器は,本研究目的でもある「マウス脳深部での光スポット生成」を可能にするだけでなく,例えば,「大画面プロジェクタ」や「高速3D光スポット走査」,「スペクトル整形」,「光空間通信」など他分野へ応用展開できる.すなわち,一次元空間光変調器は,今後様々な分野に波及していくシーズ技術として大きく期待できる.
|