研究課題/領域番号 |
19K16189
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
武方 宏樹 琉球大学, 戦略的研究プロジェクトセンター, 特命助教 (60814192)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ウスエダミドリイシ / 一斉産卵 / 網羅的遺伝子発現解析 / 季節性 / サンゴ / ミドリイシ属サンゴ / 季節適応 / RNA-seq / 産卵 / 月周性 / 環境周期適応 |
研究開始時の研究の概要 |
沖縄のサンゴ礁を形成する造礁サンゴの一種であるウスエダミドリイシAcropora tenuisは、初夏の満月に一斉に産卵するという、季節と月相に対応した生物リズムを示す。産卵時期を決定するために、ウスエダミドリイシは外環境から季節と月相の情報を読み取っていると考えられるが、どの環境要因を指標としているのか明らかにされていない。本研究は、屋内水槽における飼育実験から、ウスエダミドリイシが季節と月相を読み取るための指標としている環境要因を特定することを目的とする。また、産卵と関連して発現が変動する遺伝子の探索を目的に、次世代シークエンサを用いた網羅的遺伝子発現解析を行う。
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研究成果の概要 |
造礁サンゴの一種であるウスエダミドリイシが初夏の満月に一斉に産卵する仕組みについて調べた。産卵に関連する遺伝子の探索を目的とした網羅的遺伝子発現解析では、生殖腺発達やアポトーシスに関連する遺伝子の発現が産卵前後に変動することが明らかになった。また、採集した群体の中に産卵をしなかった群体が含まれおり、偶発的に産卵した群体としなかった群体との間での比較解析を行うことができた。その結果から、産卵しなかったサンゴは5月の段階で既に産卵しないことを決定していたことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
網羅的遺伝子発現解析の結果、生殖腺発達に関連する遺伝子の発現が産卵前に、アポトーシスに関連する遺伝子の発現が産卵後に、それぞれ上昇することが明らかになった。この成果は今後のサンゴの産卵や生殖ついての研究において、重要な知見となる。また、網羅的遺伝子発現解析では、偶発的にではあるが、産卵をしなかった群体のトランスクリプトーム解析と組織観察を行うことができた。この結果は、サンゴの成長と生殖のトレードオフについての議論における、非常に貴重な事例であるといえる。
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