研究課題/領域番号 |
19K16193
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 福島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
十亀 陽一郎 福島工業高等専門学校, 化学・バイオ工学科, 助教 (60769850)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 無代謝休眠 / 原生生物 / 繊毛虫 / 細胞修復 / ガンマ線 / 休眠シスト / 環境ストレス / 耐性 / ストレス応答 / RNA-Seq / NGS / 単細胞生物 / 放射線 / 環境応答 / 適応進化 / シスト / 細胞ストレス / ストレス修復 |
研究開始時の研究の概要 |
真核単細胞生物コルポーダは、休眠シストを形成することにより、驚異的な環境ストレス耐性を獲得する。一方、休眠シスト形成過程では、代謝などの生物的特徴は極限まで消失している。申請者は、コルポーダの休眠シスト形成過程において、代謝が不活性化しているにも関わらず、細胞傷害を修復することを明らかにした。本研究では、その休眠過程における細胞ストレス傷害修復機構の分子機構を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、単細胞生物繊毛虫Colpoda cucullus(コルポーダ)における無代謝休眠中の細胞障害修復機構に関する研究を行った。コルポーダの繊毛虫が8000グレイ以上のガンマ線耐性を有することを明らかにしたことをきっかけに、ガンマ線の照射により損傷したタンパク質が休眠中にも関わらず修復することを明らかにした。さらに、次世代シーケンサーを利用した RNA-Seqを行うことにより、休眠シストで発現が活性化する遺伝子など、修復機構を含めた休眠シストの減少を司るしくみについて明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
休眠シストは、古くからその耐性に関して研究されてきた。これまでに、乾燥、高温、低温(凍結)、酸と塩基、UVなど様々な耐性があることが報告されている。本研究では、コルポーダの休眠シストに強いガンマ線耐性があることを明らかにし、休眠シストの耐性に関する知見をさらに広げることができた。また、休眠シストは、ミトコンドリアの膜電位が停止することなどから無代謝休眠の状態であると考えられてきたが、ガンマ線による細胞の障害を修復していることを明らかにした。その修復機構に始まり、休眠シスト形成の現象を司る因子(遺伝子)も同定することができ、休眠シストの理解にさらに繋がったと考えられる。
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