研究課題/領域番号 |
19K16209
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鈴木 智也 信州大学, 理学部, 理学部博士研究員 (30739503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 種分化 / コオイムシ / 分子系統解析 / 交配実験 / 生殖隔離 / コオイムシ亜科 / Paternal care / 交配隔離 / 形質置換 / 繁殖干渉 / 進化 / 繁殖生態 / パラメア形態 / 繁殖システム / 父性 / 父育 / 生殖的形質置換 / コオイムシ科 |
研究開始時の研究の概要 |
東アジアに分布するコオイムシは、大陸と日本列島の集団間でオスの交尾器形態が異なり、大陸-日本列島集団間に方向性のある交配隔離機構が成立している。そこで本研究は、コオイムシの日本列島集団の交尾器が、生殖的形質置換によって進化したこと、その要因が姉妹種であるオオコオイムシとの繁殖干渉であることを明らかにする。これによって、コオイムシの日本列島集団で生じた近縁種間の繁殖干渉とそれに伴う生殖的形質置換が、コオイムシの大陸-日本列島集団間の種分化の要因となっていることを証明する。
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研究成果の概要 |
種分化の中間段階は、生物多様性の創出過程を理解する上で重要であり、また、興味深い現象が数多く存在する。本研究では、種分化の中間段階にある種の一例として、コオイムシ(カメムシ目, コオイムシ科)を対象に、交配実験とmtDNA、nDNA SSRおよびゲノムワイドなSNPsに基づく系統解析によりその進化史を追究した。その結果、コオイムシは日本列島に分布していた祖先系統が、ユーラシア大陸に分散(逆分散 back-dispersal)したことが示された。さらに、交配実験の結果、コオイムシは系統進化のプロセスと生殖的隔離の程度が一致しないということが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,「生物の種分化・多様化がどのようにして生じるのか?」という生物学の大きな問いを紐解くための重要なピースになると言える。加えて、生物学最大の命題である「種」の定義・概念にも一石を投じる重要な知見でである。現在、最も広く受け入れられている「生物学的種概念」は「生殖的な隔離の有無」を基盤としているが、本研究課題では、系統進化のプロセスと生殖的隔離の程度が一致しないという、極めて希少かつ興味深い事象を明らかにした。「種概念」や「種分化」研究における重要な研究成果になると考えられる。
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