研究課題/領域番号 |
19K16214
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 長浜バイオ大学 |
研究代表者 |
掛橋 竜祐 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, プロジェクト特任助教 (50812004)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サンショウウオ / RNA-seq / 発現量解析 / 一般化線形混合モデル / RNA-seq解析 / RNA‐seq解析 / 質量分析 / 有尾類 / 皮膚分泌物 / 接着粘液 / 蛋白質 |
研究開始時の研究の概要 |
日本に生息するサンショウウオの中には、尾の皮膚からタンパク質性の接着粘液(糊)を分泌する種が存在する。この糊の存在は経験的には知られていたが、それがどのような役割を持っているか、またそれを構成するタンパク質がどのようなものかについてはほとんどわかっていない。本研究では、サンショウウオ科を対象に、糊粘液を持っている種を調査し、その糊の生物学的機能を明らかにする。さらに、糊を構成する蛋白質とその責任遺伝子を同定する。これらの研究を通じ、本科における糊物質の系統学的起源と機能進化の分子基盤の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、日本のサンショウウオ(サンショウウオ科)が尾から分泌する接着粘液(糊)の機能、およびその構成糊蛋白質と遺伝子の解明を目的に研究を行った。これまで3属17種のサンショウウオで人為的な糊の分泌を試みたところ、その全ての種で糊の分泌を確認できた。また、そのうち9種の糊の接着強度を測定したところ、種毎に接着強度が異なり、近縁な種間で接着強度が近い傾向が見られた。さらに、糊を含んでいるサンショウウオの尾の皮膚組織のmRNA配列を決定し、その配列を尾以外の部位の組織のものと比較した。さらに、糊の質量分析の結果と照らし合わせることで、糊候補のmRNA配列を10に絞り込んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では糊の指標の一つとして接着強度を測定し、近縁な種ほど接着強度が近い傾向があることがわかった。これは糊の機能を明らかにする上で重要なデータである。また、糊自身が新たな生体材料になる可能性がある。加えて、両生類の皮膚には抗菌ペプチドや抗ウィルス分子が含まれることが多い。このため、本研究で行ったサンショウウオ類の皮膚組織に含まれるmRNA配列の解析から、今後、新たな有用生理活性物質が単離される可能性がある。
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