研究課題/領域番号 |
19K16218
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
|
研究機関 | 中央大学 (2020-2021) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2019) |
研究代表者 |
藤谷 拓嗣 中央大学, 理工学部, 助教 (50708617)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 硝化 / comammox / 土壌 / 培養 / ゲノム / 酸性 / アンモニア / 亜硝酸 / 浄水 |
研究開始時の研究の概要 |
環境中の99%以上の微生物は分離培養されていない。地球の窒素循環を駆動させる硝化菌も,未培養微生物として認識されている。従来,硝化はアンモニア酸化と亜硝酸酸化から成り,それぞれ異なる微生物が独立して反応を担っていると認識されてきた。しかしながら,近年アンモニア酸化と亜硝酸酸化を一つの微生物が担う,完全アンモニア酸化(Comammox)細菌の存在が明らかとなった。そこで本研究では,培養技術とゲノム解析によって,Comammox細菌の性状を明らかにし,環境中における生存戦略や進化系譜を紐解くことを目的とする。
|
研究成果の概要 |
本研究では,1菌体で硝化を行う完全アンモニア酸化(comammox)細菌の培養と性状解析を目指した。酸性土壌の細菌集団で相対量1%を占めるNitrospiraを長期培養し,最大92%まで集積した。集積したNitrospiraはpH 4以下の酸性で生存可能な酸耐性菌であり,硝化に必要な全遺伝子を備えるcomammox Nitrospiraであった。さらに既往研究で報告されている4種と別種相当の新規性をもち,生理学・ゲノム科学の両面で新規な細菌であることが判明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
培養の播種源に用いた茶園土壌は,多量の窒素肥料が投入され,活発に硝化が起こる酸性土壌である。硝化を人為的に制御することは,窒素負荷を低減し,温室効果ガスである亜酸化窒素の削減にも貢献する。しかしながら,こうした環境への負荷を及ぼす要因となる,微生物の学術的知見は乏しい。本研究で得られた comammox細菌の知見は,窒素循環に関連する環境負荷を削減するための方策や人為的に硝化を制御するための技術開発の一助となる。
|