研究課題/領域番号 |
19K16219
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
山本 将也 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教 (80826834)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 種分化 / 都市化 / ゲノムワイド / MIG-seq / 繁殖生態 / 集団遺伝 / 花形態 / 都市環境 / 京都御苑 / 遺伝構造 / ムラサキサギゴケ / カワセミソウ / 送粉生態 / 形質進化 |
研究開始時の研究の概要 |
植物が都市環境に急速に適応し、形質進化が起こっていることは、今や明白な事実として認識されつつある。これは、人間活動による環境の劇的な改変(都市化)によって新たに生じた選択圧が、植物の形態形質に対してごく短期間に影響を及ぼしていることを示唆している。しかしながら、そのような強い選択圧を生み出す都市化が、植物の種分化を駆動するかどうかは検証されていない。 本研究では、都市部で同所的に生育し、花形質が著しく分化したサギゴケ科植物2種を材料とし、ゲノム網羅的な遺伝子解析と送粉生態学的手法を用いることで、種分化過程における都市化の相対的な貢献度を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
京都御苑で発見されたカワセミソウの進化的起源と花形態の適応的意義の解明を目指して研究を行った。DNA分析の結果、カワセミソウは隣り合って咲く近縁種と遺伝的に区別できることが示され、極めて最近に種分化が起きたことが示唆された。近縁種と比較して著しく伸長した花をつけるカワセミソウには、ほとんど昆虫が来ないが明らかとなり、これが同所的な環境で交雑を抑制している要因の一つと考えられた。しかしながら、なぜ適応的でない花をもつカワセミソウが京都御苑だけに生育するのか?については結論を得ることができなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般的に、種分化は数万年から数十万年のタイムスケールで起こるものであるが、本研究では劇的な花形態の進化が数百年というオーダーで生じたことが示唆された。そして、極めて最近に分かれた姉妹種が隣り合って咲くにも関わらず、種の境界が強固に維持されていることも明らかになった。 本研究の成果は、新たな種が生まれること、そして、それが維持されること、という生物多様性研究の核心をなす課題に答えうる優れた系を発見した、という点で学術的意義が高いものと考える。
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